パステルに近い固形絵具が使用されたのは、14~15世紀。素描の彩色用に使われ始めました。
16~17世紀にかけて、イタリア、フランス、オランダに広がり、18世紀にパステル画の開花期を迎え、今日に至ります。
また、19世紀始めにはフランスのニコラル・ジャック・コンテが鉛筆の発明に次いでそれまでのパステルを改良した角型の棒状絵具を開発し、コンテと命名しました。
パステルの語源は、古フランス語の「Paste」やイタリア語の「Pastello」に由来し、「練り固めたもの」という意味があります。
顔料
有機顔料/無機顔料
顔料には大別して有機顔料と無機顔料の二つがあります。
有機顔料は有機化合物を主成分とし、化学合成により製造されます。一方、無機顔料は金属の酸化物や硫化物が主成分であり、金属や土を処理して製造されます。
結合剤
水溶性樹脂
顔料や体質顔料といったものを固めるために使用されます。
混ぜ方は、水に水溶性樹脂を溶かして顔料や体質顔料を混ぜ、固めた後に乾燥させます。水溶性樹脂としては、アラビヤ・ゴムやトラガカント・ゴム等が使用されます。
粘土鉱物
水溶性樹脂と同じ働きをしますが、水溶性樹脂と粘土鉱物との添加量の割合によって、パステルの固さを調整します。粘土鉱物としては主にベントナイトが使われます。
その他添加物
体質顔料
発色やパステル本体の表面色、描く際のタッチの調整のため、体質顔料が添加されます。炭酸カルシウム、カオリン、流酸バリウムなどが、主なパステル用の体質顔料です。