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アクリル絵具
アクリル絵具の誕生は、20世紀後半。他の画材の歴史とは少し異なり、アクリル樹脂の多様な利用法を模索した結果生まれた画材です。直接的な誕生のきっかけは、1930年代にオロスコ、シケーラス、リベーラと言った作家が公共建築の大壁画に適した絵具を求めて、アメリカの化学会社と相互協力のもと開発が進められました。
1950年代には、ポリマーエマルジョンをメディウムとする絵具が誕生。
アメリカのアクションペインティングを始めとする画家たちに何の抵抗もなく受け入れられ、その後アメリカの抽象美術が世界的に認められるのと平行して、アクリル絵具も世界的に広がって行きました。
日本への輸入は、1960年半ば。国産アクリルカラーは、1968年3社から発売されました。
顔料
無機顔料、有機顔料ともアルカリ性に強いこと、エマルジョンと反応しないことが条件です。
従って、プルシャンブルー、ビリジャン、アリザリンレーキなどは使用できません。
最近は耐久性の強い有機顔料が多く使用されるようになり、これらの顔料名を色名にすることが多いようです。
メディウム
アクリルエマルジョン
合成樹脂の中で、最も耐候性にすぐれ、無色透明・耐薬品性の強いのがアクリル樹脂の特長です。
そのアクリル樹脂の中で、アクリルポリマーが細かい粒として水中に分散している(乳化重合状態)ものがアクリルエマルジョンです。
その成分の割合は樹脂約45%、水その他約55%で水が蒸発するに従い分散していたアクリルポリマーの直径0.1~0.2μmの微粒子が融合して均一で透明なフィルムを形成します。
その他添加物
顔料分散材
顔料が均一に分散するための添加物です。界面活性剤が使用されます。
増粘剤絵具として適切な粘度に調整し、顔料の沈殿を抑えます。水溶性樹脂のセルロース系が使用されます。
防腐・防カビ剤
絵具中の水分によって生じる腐敗とカビの発生を抑える添加剤です。
凍結安定剤
低温で絵具が凍結すると変質する恐れがあります。これを防止するためにグリコール系溶材が使用されます。
消泡剤
絵具の撹拌や塗布の際に泡が出ないようにする添加物。シリコーン系助剤が使用されます。
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