基礎知識

Knowladge
油絵具
油絵の発明は、ファンアイク兄弟というのが定説ですが、実はその起源ははるか昔、古代ギリシャ人は既に油を用いて絵を描くと、輝きと鮮やかさのある色が得られることをしっていたとか。
たしかに、13~14世紀イタリアで使用され始めたテンペラ画が、その主役の座を油絵具に明け渡したのは15世紀で、ファン・アイク兄弟が揮発油やワニスの使用によって油絵の技法を確立したことは事実ですが、油と樹脂を混ぜたワニスや乾性油を使用した例が8世紀にはすでに残されています。
顔料
無機顔料
油絵具の基本色に使用されている大部分の顔料は無機顔料。その種類は古くから使われていた天然に産する土系統の顔料や、18世紀~19世紀にかけて作られた人工の顔料を合わせて成分上の分類をすれば、その数は約130種。無機顔料は一般的に隠蔽力が大きく、日光に対して変色せず、熱に対しても強く、有機溶剤に溶けないという性質があります。

有機顔料
有機顔料は一般に色が鮮明で着色力が大きいのが特長で、その中で耐久性の大きいものが油絵具にも使用されています。顔料は極めて種類が多い上、2種類以上の顔料により中間色を作ることができることにより、多くの色数の油絵具をつくることができます。
メディウム
一般的なメディウムの主成分の植物性乾性油は、空気中の酸素と反応して酸化重合を起こし、粘度を増して固化するという性質を持っています。
従って、水彩絵具の乾燥とは異なり、固化してもほとんど容積の収縮がなく、筆やペインティングナイフのタッチがそのままの形で残ります。油の酸化重合の難易は、脂肪酸組成の不飽和度の大小により、一般によう素価の大きいものほど酸化重合されやすくなります。
その他添加物
乾燥促進剤
油の乾燥を遅くする作用のある顔料を含む絵具には、乾燥促進剤として、鉛、コバルト、マンガンなどの脂肪酸塩を加えます。

体質顔料
水酸化アルミニウム、硫酸バリウムなどの体質顔料は発色や練りの状態を良くする他、顔料とメディウムの分離を防ぎます。特に油絵具の場合は使用する顔料は無機物が多く、種々の顔料の性質の差が大きいのでこれを調節するために体質顔料は大切な役割を持っています。

金属石鹸・精製密蝋
顔料の沈降を防止し、筆さばきをよくするために加えられる場合がある添加物です。

天然樹脂・合成樹脂
乾燥後の画面を強固にするために、ダンマーやコーパルの天然樹脂やアルキド系の合成樹脂を少量加える場合があります。
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