どんな画材にもそれなりの使い方があり限界があります。その限界を破っていくのが本当の創造者でありアーチストです。油性色鉛筆の限界を超えた画家が林亮太さんです。作品を見たとき、これは写真かとまず思いました。油性色鉛筆の性質を知り尽くした上での表現技法は誰が見ても衝撃ものです。
・少年の頃のことから。
林「絵を描くのがとにかく好きでした。両親が音楽家だったこともあってバイオリンを習っていましたが、飛行機の絵を描きまくっていました。絵といってもマンガに近いものですが。ただ、中学からはギターを始め、高校まで続け、絵の道に行くという考えは全くありませんでした」
・美大へは?
林「大学は普通大学です。絵には興味を持っていたので、美術史を専攻しました。印象派の画家ユトリロのモンマルトルの丘の絵が特に好きでした。バンド活動を始めたのもこの頃です。時折ライブのチラシを制作したりしていたことが、現在の仕事につながっているのだと思います」
・大学卒業後は?
林「一般企業に就職しました。販促系の仕事をしていましたが、デザインを発注する側の仕事でした。そのときに、こちらの思っているものがなかなか上がってこないので、Macを買ってもらい、自分でデザインをするようになりました」
・イラストへは?
林「CDの卸部門のデザイナーとしてデザインの仕事に専念していましたが、クライアントからの要望もあってイラストを描いたりしていました。グラフィックとイラストを描くことで、デザインに必要なイラストのポイントを知ることができました」
・色鉛筆との出会いは?
林「アーチストのための販売用アクセサリーデザインなどもしました。そのラフを描くのに色鉛筆やマーカーを使いました。パソコンの側で描くため、水を使う画材はNG。場所もとらず扱いやすい色鉛筆が最適でした。2009年にパソコンでの作業ではなく、自分の好きなように描きたいという思いから色鉛筆で本格的に絵を描き始めました」
・なぜ、今の表現に?
林「フォトリアリズムに憧れてエアブラシをしたりしていました。色鉛筆でまだ誰もしてない表現をやりたかったということもあり、リアルに挑戦しました。油彩画などに負けたくないという気持もありましたね」
・制作で気をつけていることは?
林「塗り重ねて新たな色を作るということです。私はKMKケントを使っていますが、それは塗るだけでなく削り取ることができるからです。塗り重ねる順番を間違えないことと、明暗を意識することです」
・これからの夢は?
林「色鉛筆を突き止めたいです。サイズの大きい絵にもチャレンジしたいです」
・ありがとうございました。
*編集部より*
林 亮太さんのサイトがあります。ご覧ください。
http://ryota-hayashi.com/
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