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1968年神奈川県生まれ。90年多摩芸術学園デザイン科卒業。卒業後イラストレーター、模型作家に。08年NHK 教育「趣味悠々」 で講師を務める。絵本「おうちでんてつ」 他執筆多数。
これまで取材したプロ

机はグチャグチャの頭の中と一緒。

模型はいかにリアルに作るかが勝負と思っていましたが、ゆがみながらも奇想天外な世界を作ることもあるのだということを知りました。絵でしか表現できないデフォルメの風景を立体で表現するジオラマ作家の諸星昭弘さんは天才悪戯っ子でした。電車の走るジオラマは見ていて飽きませんでした。

・子供の頃は?
諸星「勉強よりも絵を描くのが好きでした。テスト用紙の裏側に絵を描いて先生が評価してくれたこともありました。デコトラ(電飾などで装飾したトラック)の華やかさが好きで良く描いてました。運動はダメでいつも絵を描く方が多かったです。入院しても壁に紙を貼ってもらって絵を描いたこともあります」
・中学と高校では?
諸星「中学はマンモス校で同期が千名くらいいたのですが、絵がうまい人もそれに比例して多く、私は挫折しました。高校時代は絵を描いたという記憶がありません。高校を卒業する頃、絵もいいかなあ、という軽い考えである専門学校を受験しましたが、準備もしていないので落ちました。翌年再度受験して絵本学科に入学しました」
・ジオラマへの道程は?
諸星「専門学校ではイラストを中心に勉強したのですが、あまり学んだ記憶がありません。ただ、見え方におけるリアルについて新たな認識を持ちました。これが現在の仕事に繋がっていると思います。卒業後、デザイン系の会社に勤めましたが、その後フリーになりました。趣味でやっていた鉄道模型をジオラマに拡大しそれで生活を支えていました。あるきっかけでNHK教育テレビのジオラマ作りの番組の講師をしてから、仕事が来るようになりました」
・ジオラマの面白いところは?
諸星「始めのうちは図面をきちんと作って制作していましたが、いまはアイディアスケッチからいきなり制作を始めます。出来上がっていく形に手で触れているのが楽しいです。材料は容易に手に入るものを使い、カッターナイフや熱線カッターで加工しています。最後にアクリルガッシュで着彩し自分が描いていたイメージが現実化するのが面白いですね」
・デフォルメされた形は難しい?
諸星「形がゆがんでいるので、それに全てを合わせて仕上げるのが大変です。しかし、それが自分らしさであり人と同じものにならない原点だと思っています」
・どの作品にも電車がいますが?
諸星「電車が好きだと言うこともありますが、見慣れた風景を作りたいのと、動くものに人は目を止めてくれます。全部ちゃんと走りますよ」
・これからの夢は?
諸星「一つ一つの作品にはストーリーがあります。これらの作品を絵本のような写真集にできたらなあと思っています。絵を描くように作品を次から次へと作るのが夢です」
・ありがとうございました。

 

*編集部より*
諸星昭弘さんのサイトがあります。ご覧ください。
http://www.omorodesign.com


「あまり時間をかけずに速く仕上げたいですね。作っている内に次のものを作りたくなります。仕上げは雑でも全体が生き生きとまとまっているように心がけています」 
「ヤキメシタウン」
(撮影:金盛正樹)
 
「マチボックス」
(撮影:金盛正樹)
 
「ノスタルジックボックス モノ」
(撮影:金盛正樹)