backnumber  
 
 
1944年神奈川県横浜市生まれ。1968年多摩美術大学デザイン科卒業。ジャノメミシン宣伝部などを経て、1972年ナイトウ・アンド・ウイングス設立。ペーパーイラストレーションを制作。
これまで取材したプロ

机は私のコックピット紙世界へ飛行。

紙による立体イラストの世界は、絵具では表現できない、夢の世界をリアルなものに感じさせることができます。細かい手仕事の結果生まれてくる圧倒的なインパクト。内藤英治さんのペーパーアートは、熟練の技に支えられています。次々に見せていただく、奇想天外な作品に釘付けにされました。

・少年時代のことから。
内藤「絵や工作が好きでした。自分では意識していなかったのですが、周囲がほめてくれるので、さらに熱中して描いたりしていました。ただ、写生などしていて、自分の絵が皆の絵と違っていることは感じていました。いわゆる子供っぽさはなかったですね」
・どんな作品を?
内藤「ディズニーの絵のまねをして友人に配ったり、町のお祭りに使う行灯の絵を頼まれて描いたりしていました。割った薪を利用して、船や飛行機を削りだしたこともあります」
・中学生のころは?
内藤「1年生の時、美術部に入ったのですが、2、3年はバレー部に所属しスポーツに専念していました。図工の授業だけは一所懸命にやっていましたが」
・ではいつから絵の道を?
内藤「高校に入ってもスポーツをやっていました。3年になって進学を考えるようになったとき、父親から美術の道を勧められました。自分でも絵しかないかなと思い、美術部に入り美大を受験しましたが、準備不足で結果は浪人。その後、受験のための美術研究所に半年通い、後は自宅で受験勉強に励み、次の年美大に合格しました」
・美大卒業後プロに?
内藤「大学ではデザイン科に所属しグラフィックや広告、イラストを学びました。卒業後メーカーの宣伝部に就職し、 1年ちょっとで小さなプロダクションに転職しました。28歳でフリーになりイラストや平面作品やアメリカンコミック風の作品を制作していました」
・ペーパーイラストへは?
内藤「引っ越しのとき不要になった段ボール箱が大量にあって、それを利用して筆箱とか棚を作りました。それを見た友人が、紙で何か作ってほしいと注文をくれました。工作が好きだったので、熱中して制作しました。出来た作品をハガキにし、デザイン関連の企業などに配布しました。それから紙に関する仕事が来るようになりましたね」
・主にどんな紙を?
内藤「基本的にはどんな紙でも使います。中でもマーメイドは質感もいいし、色も豊富なので良く使います。紙の細工には糊、ハサミ、カッター、それに着彩用のパステルがあればOKです」
・これからの夢は?
内藤「前に昆虫の形をした未来的な宇宙船の本を出したことがあります。それをさらに進展させたいです」
・ありがとうございました。

 

*編集部より*
内藤英治さんのサイトがあります。ご覧ください。
http://www1.ttv.ne.jp/~naitoh-hide/


「これからの歳月何ができるか考えながらやっています。夢中だと辛さも忘れます。多くの人に体験してほしくて本も出しています」 
「くじら号の大航海」
 
「青い鳥の幸せ運び」