パステルの柔らかな表現とシャープさを合わせると、いきいきとした動物や子供を描くことができます。しかし、パステルでエッジの効いた表現は難しいです。まつながあきさんを訪ね、自由自在にパステルを操るプロとしての実力を見せていただきました。屈託のない笑顔が印象的でした。
・子供の頃のことから。
まつなが「絵を描くことや工作が好きな子供でしたが、外にいる時間がほとんどでした。家の周囲に広がる田んぼに絵本やノートを持ち出して、時には山に登ったりして身近な草花と遊んでいましたね」
・いつごろから絵を。
まつなが「小学6年の時、父からイーゼルをもらい、うれしくてスケッチブックを乗せてよく写生に出掛けました。ファッション画を描くのも好きで、それを元に服作りに熱中したりもしていました。正式に洋裁を習ったことはないのですが、今でも衣裳などをよく作ります」
・絵の道を意識したのは?
まつなが「高校1年の時に、美大を目指すことを決め、研究所に通い始めました。始めた頃は全く描けず帰り道で泣くようなことも。半年程してやっと描くのが楽しくなりました。美大での専攻は油彩画です」
・就職は?
まつなが「画家という意識は薄かったですね。漠然とイラストとか絵本の仕事をしたいと思っていました。ゆるい学生生活でしたね。卒業して文具メーカーに就職しました。キャラクターの制作と商品の企画です」
・パステルを使用したのは?
まつなが「大学の時にアルバイトをして手に入れたのがきっかけで使い始めました。就職してからはパステルと色鉛筆は、毎日のように使う画材になっていました」
・フリーになったのは?
まつなが「もっと絵が描きたくなって、退職しました。小さいカットから始まって、チャンスに恵まれ1年後には絵本雑誌の仕事をいただきました。現在はデザインの仕事もしていますが、どちらも好きです」
・パステルの技法について。
まつなが「基本的に指で描きます。輪郭を出したい箇所はマスキングをして着彩しています。紙の上でパステルを粉末にしてから指で延ばし、何度も擦り込んでは色を重ねていきます。こうして描く画面上の混色はとても好きです。制作上では暗い部分の描き込みを大切にしています。暗い部分があって明るい部分が生きてくるからです」
・モチーフは?
まつなが「自然の中の子供や動物が多いかな。空気の匂いのする情景というのが好きです。草の香りだったり、ご飯のいい匂いだったり…」
・これからの夢を。
まつなが「ストーリーのある絵をたくさん描きたいです。新たに絵本の制作にも取り組みます」
・ありがとうございました。
*編集部より*
まつながあきさんのサイトがあります。ご覧ください。
http://akkz.chips.jp/aki.html
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