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1954年東京生まれ。75年千代田デザイナー学院GD科卒。82年制作会社数社勤務を経てフリーに。84年より個展を不定期に開催。ACC広告賞部門賞など受賞。
これまで取材したプロ

机はやるぞという意欲がわく場所です。

一見リアルなのですが、よく見ると現実ではあり得ない世界が描かれている、そんな表現に憧れます。写真に撮れない非現実の世界が、アクリル絵具によって視覚化する。ここには磨き抜かれた技術が必要です。星野哲朗さんは、形のみならず、配色でも超が付くベテラン。ドライブラシの技を見せていただきました。磨かれた技には感動がありました。

・小学生の頃は?
星野「小学校1年のときにすでに遠近法で絵を描いていました。乗り物が好きで暇さえあれば図鑑を見ていましたが、そこに描かれている乗り物はパース(透視図法)で描かれてあったんで、覚えたのだと思います。マンガを描くのは下手で興味がなかったですね。絵を描くというより工作が好きで車とかを作っていました。モーターとか仕込んで、熱中していました」
・中学生ぐらいから絵を?
星野「いえ、美術部にはいましたが、音楽にはまっていました。絵を描くという特別な意識はなかったですね。ギターをやっていて高校へ行ってもジャズ演奏を楽しんでいました」
・絵を意識したのは?
星野「17歳のとき、アメリカのデザイン会社『プッシュピンスタジオ』の展覧会に行きポール・デイビスの作品に出会い衝撃を受け、そこで初めて『絵で飯を食う』という発想が生まれました。デザインを学んでからイラストレーターとしての道を思い描くようになりました。高校を卒業して、デザイン専門学校でグラフィックを学びました。研究科まで行きましたが実際にはほとんど絵を描いていました。公募展の裏側が見えてしまい幻滅を感じたりもしました」
・イラストの世界にはどのように?
星野「就職したのが、制作会社のイラスト室でした。当時はイラスト専門で就職できました。転職した会社でエアブラシでの制作に携わっていましたが、27歳で独立してフリーになりました。レコードジャケットなどのスーパーリアルの仕事が多かったですね。画材はアクリル絵具が中心でしたが、ロットリングなどの製図ペンによるカットも描いてました」
・技法は?
星野「リアルだけでは特徴がないと感じてドットによる表現を開発し、メジャーデビューを果たしました。それからも技法の開発には時間をかけ、ドライブラシによる表現にたどり着きました。特に下地には石膏粉末を使うなどこだわっています。90年にフランスを旅してからヨーロッパ風の作風で描いています」
・最近の仕事は?
星野「本の表紙ですが、教科書が多いです。個展を不定期に10回ほどやってきましたが、このところさぼっています。そろそろと思っています」
・これからの夢を。
星野「パリを起点として各国を旅してきましたが、これからもヨーロッパの雰囲気を描き続けたいと思いますね」
・ありがとうございました。

 



星野 哲朗さんのHPがあります。ご覧ください。
http://web.mac.com/t2hoshino/

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