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1956年福岡県生まれ。1976年九州造形短期大学卒業。日本デザイナー学院イラスト専科修了。2008年フリーイラストレーターに。フランス人形や雑貨などの骨董店経営。
これまで取材したプロ

アクリル板が絵を描くための机。

色鉛筆には油性と水性、パステルなどの種類があります。中でも油性は重厚な表現に向いており、グラデーションの表現に適しています。色鉛筆は線描の画材ですが、筆圧を一定にし塗り込むと滑らかな表現ができます。荻荘聖子さんは色鉛筆を自由に操れるマジシャンです。抜群の集中心と豊かな経験が信じられない美しさを生み出します。荻荘さんの色鉛筆の世界はこれからまだまだ広がります。

・少女時代のことから。
荻荘「家がお寺であったため両親とも忙しく、あまりかまってもらえず、一人でおとなしくしているような子でした。マンガが好きで、小学校5年の頃にはオリジナルのマンガを描いていましたね。それで高校生になるとマンガ家を目指し美術部に入部してしまいました」
・イラストの勉強は?
荻荘「短大でグラフィックを学びました。課題は多かったですが楽しかったですね。そこを卒業後も日本画のアトリエに1年、イラストの専門学校に1年通いました。短大時代から画材はずっと透明水彩がメインでした」
・プロとしての道のりを。
荻荘「結婚を前後にグループ展に参加したり個展を開いたりしながら、フリーのイラストレーターをやっていましたが、その後、骨董屋の経営を始めました」
・色鉛筆との出会いは?
荻荘「色鉛筆は10年ほど前から始めました。水彩は途中で制作を中断することはできません。電話がかかってきて席を外したりすると、その間に乾いてしまって失敗したりします。その点色鉛筆は、場所も取らず、細切れの時間でも描ける手軽さが魅力でした」
・上達するためには?
荻荘「私自身、たいした才能なんてありません。でも、小さい頃から描く事が好きでたまらなかったんです。なので、上手くなりたくてひたすら描き続けました。それが私の上達のコツです」
・どんなことに気を付けていますか?
荻荘「私はほとんど独学でここまで来ました。とにかくいっぱい描くことです。鉛筆は尖らせて寝かせずに描くようにしています。それと筆圧をかけずに何回も重ねて塗っています。ボカシに使う綿棒は医療用の大きいものを使っています。モチーフとしては動物や植物、道で会った女の子などです。やむをえず写真を見て描く場合は、その写真を超える作品にするんだという気持ちで描きます」
・これからの夢は?
荻荘「来年ニューヨークのOuchi Galleryで個展をやります。海外の方に色鉛筆の原画を見ていただけるなんて、とても嬉しいです。今後は、図鑑の虫や花なんかを描く仕事をやりたいなと思っています」
・ありがとうございました。

 

 

*編集部より*
荻荘聖子さんのHPがあります。ご覧ください。
http://iroenpitu.net/

「集中して描くので制作は早いですよ」

 
「まっすぐ」
 
「冬の終わり」