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1982年埼玉県生まれ。 2005年日本大学芸術学部美術学科卒業。 2007年第83回白日展東邦アート賞。 2010年第8回前田寛治大賞展市民賞。 現在白日会準会員。
これまで取材したプロ

私の机は全てをぶつけるイーゼルです。

人物をリアルに描くことはかなりの技術が必要です。しかし、写真のように描ければいいのではありません。そこにその画家の存在が感じられなければなりません。今、若手の写実画家が活躍しています。高橋和正さんはその中の一人で、将来への期待が大きい画家です。高橋さんの作品には人を温める日差しがあります。モデルの呼吸までも感じられる独特の表現技術に度肝を抜かれました。

・どんな少年時代でしたか?
高橋「比較的に物事にのめり込むといいますか、集中する子どもでした。最初はマンガから始まり、ドラゴンボールとかを自由帳などに熱中して描いてました。中学でバスケを始め、NBAの選手に憧れ、似顔絵描きに没頭しました。高校では、2年から美術部に入り油絵で静物を描き始めました」
・そこから画家を目指した?
高橋「いえ、最初はイラストレーターを志していました。リアルに描くというか、質感描写に熱中していました。30号ほどの静物画を精密に油絵で描いていました。高校3年の時、美大予備校に通い、先生からイラストならデザイン科だと言われたのですが、単純に絵を描くことが好きなのでそのまま油絵科に進みました」
・大学では?
高橋「ベラスケスなどのコテコテな古典的質感描写に触発されて、納得のいくまで同じ作品を制作し続けるという毎日でした。このころは自分なりの描き方で描いていたのですが、野菜や果物をモチーフにすると鮮度を失い腐ってしまうこともあり、素早く描くにはどうしたらいいかなどの考えをめぐらせていました」
・人物画には?
高橋「大学で人物の習作を何枚も制作しました。実物をよく見て描くのが基本ですが、その繰り返しでした。授業よりも夏休みなどに思いっきり制作できるのがうれしかった。そういった中で、どんどん人物画に傾注していきました」
・卒業後は?
高橋「卒業してすぐに二人展をしたのですが、人物画を出品し好評をいただき、その気になりましたね。それと、人物画の方が食べていける。卒業してすぐの白日会に出品した80号の作品が受賞したこともあり、そこから本腰を入れて人物画に取り組みました。人物画の世界は自分でもやれる可能性を感じています」
・制作で気を付けていることは?
高橋「人物がいる風景といいますか、光のあり方や状況、全体を取り巻く空気などを逃さず描写することですね。それと毎日描くようにしています。一日描かないとやはりペースダウンしますから」
・これからの夢は?
高橋「手で描くことの良さを多くの方に知ってもらいたいです。誰でもが一瞬の美に共感してもらえたらと思います」
・ありがとうございました。

 

*編集部より*
高橋和正さんのHPがあります。ご覧ください。
http://profile.ameba.jp/kazu8zeizoku/

「4号くらいの小品でも1カ月弱かかります。常に楽しいわけではなく、仕上がりを楽しみに制作しています。使用する絵具は赤、青、黄の3色に白とバーントシェンナの5色です」

「twilight」P4 2010年 キャンバス、油彩
「そよかぜ」変形12 2010年 キャンバス、油彩