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1955年東京都生まれ。80年東京芸術大学工芸科卒業。82年同大学院修了。同年初めての個展。85年より表紙、挿絵、イラストも制作。父福井良之助は画家、弟良宏は日本画家。
これまで取材したプロ

私のすべての道は机に通じています。

透明水彩で細密に表現された世界は、色がハーモニーを奏でる心地よい草原のようです。ギリギリのところでマスキング液を使うこともあるが、ほとんどの作業を筆だけで行い、無駄がありません。福井良佑さんの絵は研ぎ澄まされた美しさがあります。その場で描いていただきましたが、ただ見とれてしまいました。飾ることなく話される姿に器の大きさを感じました。

・生まれは?
福井「東京の池袋なんですが、すぐに相模大野に行き、3歳のときに鎌倉に引っ越しました。20年前に結婚して葉山に居を構えました。双子だったので、子どもの頃は壁に落書きしたり、いたずらばかりしていたらしく、母に2倍以上の負担をかけていましたね」
・絵はいつごろから描いていた?
福井「父が画家だったこともあって、父の真似をしながら絵を描いていました。小学校の美術の時間にほめられたことがありましたが、父や母がほめてくれたことが自分を成長させたと思っています」
・本格的に絵を目指したのは?
福井「中学では陸上をしていましたが、画家になろうという意識がなく、画家になっていたというところですね。芸大に行こうと決めたのは高校2年の時です。工芸科に入学し、漆とかガラス、陶器など種々の技法に出会いました。それが今に生きていますね。ある教授から君は描き過ぎだよ、と言われて、自分が細密向きだと気づきましたね」
・透明水彩とは?
福井「油絵の下絵として、水彩をやっていました。それはあくまでも油絵を考えての下絵なので、作品ではないですね。本格的に始めたのは15年ほど前からです」
・透明水彩の魅力は?
福井「飽きないですね。描き直しが効かないから後戻りができません。つまり、失敗ができないということです。油絵は重ねていけるので、修整が可能ですが、水彩はそうはいきません。そこが緊張感があっていいのです。また、絵具の白を使わず、紙の白さを利用するところが、面白いです。描くための道具立てがシンプルです。始めたい時にすぐ始められる。そこがいいですね」
・マスキングは?
福井「ほとんどの描き込みを筆でしていますので、マスキングはギリギリどうしてもというときに使います。例えば小さな雪の粒を描くときとか、本当に細い線を残すときなどに使っています」
・これからの夢を。
福井「今カルチャーセンターで水彩画を教えていますが、自分に合っているので、続けたいと思います。海外旅行に出たいですね。作品の幅を広げるには旅行が必要ですから。それと、画集を出したいです。技法書も5冊は出したいですね」
・ありがとうございました。

 

*編集部より*
「福井良佑 透明水彩画展」
2010年5月10日(月)?16日(日)

会場:ギャルリー・コパンダール(中央区京橋)

福井良佑さんのHPがあります。ご覧ください。
http://members2.jcom.home.ne.jp/suisai/

「水彩画は描き始めると、途中で止められないものなんですよ」

 
 
 
「こもれびの中庭」(ギリシャ・ミコノス)