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1946年神奈川県横浜市生まれ。1970年多摩美術大学卒業。同年トッパンアイディアセンターに就職。アートディレクターとして活躍。1995年アトリエバオバブの樹を設立。
これまで取材したプロ

私の机は画室に立つイーゼルです。

パステルでリアルに描く、これはかなり難しいです。しかも植物などには、その植物の特徴となる微細なものが付いています。葉脈、トゲ、葉毛、花弁、蕾など表現するのに熟練の腕が必要です。しかし、プロは、その大変さを口にしません。池田直樹さんは、技法の本質を知っている方です。いちいち納得できる絵の話は、飽きることがありません。池田さんが主宰する教室は、かわいいモチーフの笑い声で溢れていました。

・絵は小さい頃から好きだった?
池田「いや、自分と比較して周囲の友達の方がうまかったですね。特に、絵が大好きと言うわけではなかったです。それは今でも変わっていない気がします」
・それで、なぜ美大に?
池田「デザインを学ぶためです。デザインは別に絵が下手でもできます。しかし、そう思って進んだ、デザインの世界から絵の世界へと来てしまいました」
・大学を出てからは?
池田「トッパンアイディアセンターに就職し、グラフィックデザイナー、アートディレクターをしていました。ここで、すばらしく絵のうまい先輩たちに出会いました。私自身は本格的な絵は描いていませんでした。トッパンには24年おりました。退職してから絵を描き出し、翌年に絵画教室を現在の地に開きました」
・パステル画を描き始めた理由は?
池田「絵を始める人は、いきなりパステルから入る人はほとんどいませんね。なじみがある水彩から始める人がほとんどです。水彩や油彩は中学校や高校で経験しますが、パステルは学生時代の経験がなくなじみが少ないからです。トッパンを辞めるときに、同僚から何かプレゼントをと言われ、『レンブラントのパステル250色』をお願いしました。残念ながら250色は輸入に時間がかかるということで、150色と90色のセットをいただきました。これが、パステルへの道につながりました」
・細密に描かれていますが。
池田「パステルは、こすり方で表現の幅が変化します。基本はこすり方ですね。付着する粉の量を変化させながら、光の反射率をコントロールしていくことになります。強くこすりつけるので、基底材にはしっかりした用紙を使います。輪郭は色鉛筆で描いています」
・おすすめのパステルは?
池田「レンブラントの木箱入り90色セットですね。初心者にはランドスケープセットがいいですね。長い目で見れば、木箱の方が丈夫で使い勝手が良いです」
・これからの夢を。
池田「ドイツに行く用事があって、そのときに、スケッチしたり写真を撮ったりしました。あの時の絵が今も、深く心に刻まれています。時間ができたら、また海外に絵を描きに出たいです」
・ありがとうございました。

 

*編集部より*
池田直樹さんのHPがあります。ご覧ください。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/atelier-baobab/

「パステル画は立てて描きます。余分な粉が下に落ちるので、色が濁りません」

 
「ボタン」
 
「ポインセチア」
 
「ナスタチウム」