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1969兵庫県生まれ。96女子美術大学大学院美術研究科日本画専攻修了。01第36回昭和会展昭和会賞受賞。個展・グループ展等多数出品。現在、日本水彩画会評議員。水彩人同人。  
これまで取材したプロ

机は家族の集まるところです。

発色の美しい絵があります。それを描くには、絵具がいいだけでなく、描く人の美的な感性が必要です。固形水彩は透明水彩ですが、それを自由に扱うには、キャリアがものを言います。小野月世さんは、何とも言えない情感を描き出す作家さんです。そこに流れるさり気ない時間が美しい色で描かれています。もっともっと話が聞きたくなる魅力と優しさを兼ね備えた小野さんが、作品に表れていると改めて思いました。

・小さいころは?
小野「落書きが生活の一環だったような気がします。両親が美術の先生だったということもあり、絵を普通に描く環境ができていましたね。ただ、ちゃんとした絵は描いていませんでした。外で遊ぶのが好きな子供でしたから」
・ご両親の影響は?
小野「親のスケッチ旅行に連れていかれ、風景と描く姿を見ていました。絵になりそうな場所、日本海の荒波であったり、山であったのですが、よく連れていかれました。そのとき、絵描きさんは大変だなあ、という思いがありましたね。自分にはなれないと漠然と思っていました。反面教師と言いますか」
・ではなぜ水彩の道に?
小野「絵描きは無理でも、デザイン的な仕事なら自分にできそうと思い、高校の美術科に進学しました。3年のときにデザインを選択しました。しかし、デザインの才能があるかどうか、不安でしたので表現の勉強をもう少ししてみようと思い、大学院に進み日本画を学びました。油絵は両親が描いていましたので描き方は知っていましたが、日本画は職人的で私にとって未知の世界だったので魅力的だと思いました。私の絵作りはデザインに近いものがあるのですが、最初にデザインを勉強したからですね。結婚して、子供ができると場所も時間もなく、日本画をするには、道具が広がり過ぎます。それで道具が少ない水彩にたどり着きました。生活の中でやれるし、子供がいてもできるのが水彩でした」
・固形水彩の利点は?
小野「外で制作するときは、本当に便利です。子供にも小さいセットを持たせて写生に出かけたりしています。水彩画はきれいな色から塗り始めます。例えば黄色は、光として先に塗ります。重ねていくうちに、部分的にしか残りません。持っている色数は多くても、使用する色の数は少ないです。これも、水彩の発色がいいからということでしょうか」
・どんなことに気を付けていますか?
小野「影のつながりは大切です。彫刻を作るような感じで、影を入れていきます。さらに丸みとか、ボリュームを付けていくということです」
・これからの夢は?
小野「日本画も含め、様々なジャンルを超えた作品を作りたいです」
・ありがとうございました。

 

*編集部より*
小野月世さんのHPがあります。ご覧ください。
http://atelierlune.com/

 

 

「透明水彩は自分とかみ合っています。水彩でどのくらいのことができるか試しています」

 

「想う」
2005年日本水彩展内閣総理大臣賞

 

「暖炉の傍で」グループ展出品作

 

「バラ」個展出品作