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1948年長野県生まれ。 1970年東京造形大学デザイン学科卒業。 その後デザイン事務所を経てフリーに。 「 箱根彫刻の森美術館」 設立記念鳥瞰図等。2006年個展開催。点描中心の制作活動を展開。  
これまで取材したプロ

愛着のある製図机は安らぎの場。

点描といえば黒インクの世界を思い浮かべます。その中にカラーインクでの点描も本当に稀にあります。点描といえばハガキサイズの作品でも、1週間ぐらいはかかる技法。渋江喜久夫さんは、自らを点描職人というほどの画力の持ち主。天才的な技術とそれにも増して味のあるお人柄、そして天真爛漫な奥様、話は尽きることなく続きました。

・少年の頃のことから。
渋江「絵が好きでしたね。小学校1年になって間もなく、周りの仲間が絵の教室に通っていたのを見て、自分にもやらせてくれと親に頼んだのです。それをきっかけに絵を描く習慣が身に付きました」
・その後も続けた?
渋江「ええ、絵やポスターのコンクールに出品しよく入賞していました。賞よりも副賞でもらえるお菓子が楽しみだったのかな。中学になっても、先生からほめられたりして写生のコンクールには出品していました」
・いつから専門の道を意識した?
渋江「家が精密機器の町工場を経営していたのですが、高校3年の時、父親が絵の方へ進むことを認めてくれました。デッサンの個人指導を受けたのですが、1年目は入試に失敗。これではいけないということで、絵の予備校に通い、2年目に大学に受かりました。この経験がプロへの意識を高めたと思いますね」
・大学では?
渋江「基礎課程は真面目に出席したのですが、その後は絵が描きたくてアパートに閉じ籠り、自分の好きな絵ばかり描きまくりました。卒業して、アートディレクターのような仕事をしたのですが、それは人に仕事を依頼する立場です。人に頼むぐらいなら自分で描きたい、ということで5年目にフリーとして独立しました」
・点描には?
渋江「フリーになってからは、トレースの仕事や雑誌のカット、マンガなどを描いていました。この頃から点描を始めています。『日経ビジネス』の特別号の表紙を色付き点描で制作したのが最初です」
・点描は時間がかかる?
渋江「そうです。『日経ビジネス』が週刊誌になって、点描では制作が間に合わなくなり、その仕事は辞退しました。今は締め切りのない自分の好きなものを描いています。A4サイズで約1カ月かかりますよ」
・ペンは何を使っている?
渋江「最初は丸ペンを使っていましたが、すぐにペン先がダメになるので、途中からロットリングの0.1に切り替えました。色付きだけでなくモノクロの作品も多いです」
・これからの夢を。
渋江「魅力のある人物を描きたいですね。あるいは水の部分とか形のないものを追究したいです」
・ありがとうございました。

 

*編集部より*
渋江喜久夫さんのHPがあります。ご覧ください。
http://park15.wakwak.com/~sibue/kouriya/kouriya-1.html

 

 

「やっていると食べるのも忘れてしまうんですよ」

 

「誕生」(日経ビジネス表紙画)

 

「ミノカサチョウ」

 

「暫」市川團十郎氏