アートは根っこでつながってるのだということをそっと教えてくれるアーチストがいます。ミュージシャン、声優、画家、イラストレーターなど複数の顔を持つ原マスミさん。あれだけ活躍されていてその奢りを見せないお人柄。屈託のない優しい笑顔そのままの方でした。ライブも個展も必ず行こうと決めました。
・絵を始めたのは?
原「物心付いた頃には、もう描いていました。絵を描いているのが好きでしたが、それ以後もプロの画家になることなどは意識していませんでしたね」
・では、本格的に描くきっかけは?
原「自分のCDやアルバムのジャケットに絵を描いたりしていたのですが、それを『キッチン』を出したばかりのよしもとばななさんの目に留まり、『哀しい予感』という本の表紙を描かせてもらいました。この時は色鉛筆の厚塗り技法で描きました。これが、プロとしてのスタートでした」
・絵はどこで学んだ?
原「私は専門に絵を学んだことはありません。ゾンネンシュターンというドイツのシュールレアリストが描いた色鉛筆画に引かれ、自分も描いてみようと思い描き始めました。最初は暗中模索でやっていましたが、自分の描きたいものを描くようになりました」
・クレパスへは?
原「色鉛筆とシルク印刷などで絵を制作していましたが、バリ島の本の挿絵を描く時に、どうしても暑さが表現できずにいた時クレパスを使うことを思いつきました。色鉛筆はどこか寒々しい感じがするので、クレパスは最適でした。94年からですから13年経ちました」
・どこに魅力が?
原「先日開催した展覧会で大型作品の制作をしたのですが、アクリル絵具を使いました。そのとき感じたのですが、筆は器用だから自由に動いて、使いやすいです。しかし、クレパスはなかなか思うようにいかない。でも、自分の手で手応えを感じながら直接描けるところが自分に合っていると思っています。自分の指先から色が出てくる感じが好きです。基本的には自分の生活スタイルに合っていて、いつでも始められるところがいいですね。ネチネチ考えながら制作する方なのでそれにも適しています」
・クレパスで苦労していることは?
原「クレパスで平塗りをするのも大変なのですが、描き重ねるうちにどんどんタッチが変化していきます。ストロークを見せたいのですが、どの時点で、止めるかの判断が難しいですね」
・これからの夢を。
原「自分のストーリーで、絵本を描いていきたいです。ストーリーはいくつも頭の中にあります。それほどモリモリ描けないので残る作品を作りたいですね」
・ありがとうございました。
*編集部より*
原マスミさんのHPがあります。
ご覧ください。
http://human.secret.jp/
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