透明水彩は文字通り透明感の高い表現が特徴です。風景や特に水を描いた作品は、心が洗われます。ベテランの作品には味わいがあります。特に透明なガラスを描いた絵には、他の画材にない輝きがあります。青木美和さんの作品は、ただモチーフが描いてあるのではなく、そこに光と影があります。理科室にある流しを備えたアトリエは、光を大切にする青木さんらしさが溢れていました。 ◎絵を始めたのはいつの頃? 青木「4歳の頃、父親に描いた絵をほめられたのがすごくうれしくて、近くの絵画教室に通うことになりました。先生からリアルに描くための遠近法などの技法を学びました。その頃は、絵を描くことと本を読むか、パズルをして過ごしていた気がします。小学生の中学年からは油絵を始めていましたね」
◎絵が好きだった?
青木「絵も画材も、好きでした。そばに画材があれば、嬉しくて絵を描きました。いろいろな画材を使うのも、見ているのも好きでしたね。将来は画材屋さんになりたいと思っていたぐらいです」
◎本格的には? 青木「中学生の頃から、美大を意識して画塾に通うようになりました。でも、受験用の絵が性に合わず、自分の好きなように描いていました。この頃、パステル、水彩、油絵具などを使ってました。ここで描く基本を身に付けました。しかし、国文学で、気になっているテーマがあったため、文学部ばかり受験しました」
◎大学を出て? 青木「大学は文学部だったのですが、就職したのはコンピュータソフトの会社です。休みが多く、絵をたくさん描けることが、会社選びの条件でした。イラストでやっていけたら、と思いすぐ退社。名刺にはイラストレーターとあっても、しばらくはライターの仕事が多かったです。文と絵の両方を合わせて、30歳半ばで何とかプロとして自立できたと思ってます」
◎水彩を仕事にした理由は? 青木「もともと水彩が好きだったのですが、個展でイラストとしての水彩画を発表していくうちに、仕事が増えていきました。今は自分の描き方で、仕事がいただけるようになりました」
◎モチーフとかは?
青木「モチーフは花が多いです。それと果物。季節感があるものを描いています。そして、特に大切にしているのが、光です。窓辺に差し込む光、晴れた屋外の影を作る光、私にとっては光がメインと言えます。スケッチはメモ的なものとして、筆ペンで描いています。絵具はブランドにこだわっていません。品質さえ良ければどんなものでも使います。最も重視しているのは、ボカシですね。集中して、水加減を考えながら、短時間で処理していく、これが水彩の醍醐味です」
◎ありがとうございました。
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