backnumber  

 コラージュとは絵具以外のもので絵を制作するという意味である。芸術的なコラージュが誕生したのは20世紀初頭なので、それほど古い時代ではない。それまでにすでにガラスやタイルの破片によるモザイク表現が存在している。
 きっかけは芸術といわれるものが形骸化し、それに嫌気が差した芸術家が反発したことだ。芸術が絵具で表現されるものに限定されていったのが19世紀であった。絵具で描かなければ芸術ではない、という風潮に反旗を翻したのがジョルジュ・ブラックとパブロ・ピカソであり、ガラスの破片やボタン等を使って作品を制作したのが始まりとされている。1912年〜13年のことである。
 これを受けて1918年、ダダイズムの運動がコラージュをこれまでにない芸術として制作を推進した。シュールレアリズム等の運動も加わり、新たな芸術スタイルとしてのコラージュが完成したのである。
印刷物だけでなく古い版画や写真等も積極的に使われ、抽象的なものから幻想的なものにまでコラージュは浸透していった。1931年あたりまでがダダイズムやシュールレアリズムの時代とすれば、それ以降1940年代からはより多くの芸術家が参加するものに成長した。
 1990年代に入りコラージュ画家の組織が作られ、コラージュ専門の美術館も設立された。ピエール・ジャン・ヴァレ達によってコラージュ理論も研究され、今や明確な領域となっている。注目したいのは「戸棚の片隅にある忘れられた捨ててもいいようなガラクタを使った芸術」という精神である。つまりコラージュの専門画材はないということを示している。
 今、一旦否定した絵具との和解が進んでいる気がする。絵具の力を加えることによって、コラージュは新しい時代へと入っていく。楽しい時代である。