画材や絵に関するどんな質問にもお答えするコーナーです。
採用分には画材が!!

※画材プレゼントは会員の方に限らせていただきます。
 
<水彩色鉛筆について>
 

油性色鉛筆では水彩色鉛筆のような水による混色ができない理由は何ですか? また、水彩色鉛筆を使用する際に注意しなければならないことを教えてください。
(富山県・魚津市・氷見)

 

まず最初にお断りしておきますが、質問は一度に一つだけにお願いいたします。回答のボリュームが限られていますので,ご理解いただければと思います。
とりあえず最初のご質問にお答えします。
油性色鉛筆は顔料に油性のワックス成分を混ぜて固めています。油性のワックス成分のメリットは滑らかに基底材(紙など)に着彩することができることです。油性ですので水では溶かすことができません。一方の水彩色鉛筆は同じ顔料を乳化剤を混ぜて固めます。乳化剤は水溶性であり、水に溶けます。
油性色鉛筆を水彩色鉛筆のように色を溶かして使用することもできます。テレピン油などを筆に付けて着彩部分に塗れば混色が可能になります。

<絵具について>
 

不透明水彩もやってみたいと思います。その際、ガッシュ・アクリルガッシュ・アクリルとありますが、その違いが良くわかりません。わかりやすく教えて下さい。
(大阪府・豊中市・大口)

 

まず基本的なことをお話しします。絵具は同じ色材(顔料)からできています。その顔料は元々物質ですので不透明なものが多いのですが、粒子の細かさや混入するメディウムによって不透明水彩といわれたり透明水彩といわれたりします。
不透明水彩はその絵具の色そのものを描画に使います。透明水彩は紙の白さを利用して発色させます。もちろん不透明水彩でも水を多くして着彩すれば透明水彩のように使えます。逆に透明水彩やアクリル絵具でも何度も同じ色を重ねれば不透明性が高まります。
透明水彩は下の色と重なって新たな色ができます。色を重ねることで混色が可能です。不透明水彩は色を塗ると下の色が隠され、塗った色が発色します。これを絵具の被覆力と呼んでいます。したがって絵具にない色は混色しながら着彩することになります。
ガッシュは水溶性で、乾燥後も水溶性です。乾燥してから水で溶かすことができます。つまり乾燥後もウォッシングなどの加工ができるということです。ただし、水に弱いということもあり、保存には注意が必要です。
アクリル系の絵具は水溶性でも、乾燥後は耐水性になります。加筆はできるものの、ウォッシングなどの加工はできません。
アクリル絵具とアクリルガッシュの違いは、アクリル絵具の方が透明性が高く、アクリルガッシュの方が不透明性が高いということです。そして、最も大きな違いは、アクリル絵具は光沢があり、アクリルガッシュは無光沢であるということです。
アクリル系の絵具は基底材の幅が広く多くのものに描くことができます。ガッシュは弾かれてしまうことがあるので、これも特徴の一つかと思います。
完成後の仕上がりイメージは、ガッシュはしっとり、アクリルガッシュはマットなナチュラル、アクリル絵具はつややか、でしょうか。どれが良いとか悪いということではなく、自分に合っているのはどれか、ということです。そのため、できれば少数のばら売りを購入し試し描きをすると良いでしょう。

<油絵具の変色について>
 

油絵をやっています。絵具を混色する際に化学変化が起きて変色する色があるので気をつけるようにと言われました。それはどのようなものなのでしょうか?具体的にどの色とどの色を混ぜると変色するのかを教えてください。
(東京都・港区・鈴木)

 

確かに混色で制限があるということが言われています。メーカーにもよりますが、良質の絵具などではほとんど心配するほどのことはありません。レンブラントのように元々発色が良い絵具では、変色はほとんどありません。よく聞くのがシルバーホワイトとウルトラマリン系の絵具を混色すると黒色の硫化鉛を生じて黒変するということです。ただし研究者のレポートから黒変したことがない、ということもあり黒変に関しては心配はないようです。これは硫黄成分と鉛との化学反応によるものです。
白はそのままですと黄変するものがあります。しかし、これもチタニウムホワイトなど混ぜられている油によっての話で、全ての白に言えるわけではありません。また、白をそのまま使うことはまれにしかなく、ほとんど他の色との混色で使用するので、白の黄変を感じることはありません。またレンブラントのように白といっても6種もありますから、白の質を見て選べば良いでしょう。
一般的に言われるシルバーホワイトとバーミリオン系やカドミウム顔料との間では変色は起こりません。エメラルドグリーン系で変色があるということも言われていますが、実際変色したのを見たことがないのでなんともいえません。
できれば揮発性の溶き油は避けた方が良いでしょう。
総じて、現代科学が生み出している絵具は良質になっており変色を意識しなくてもいいレベルにあります。

<動くものを描くには>
 

動くものをスケッチしたいです。一部を描いているうちにに対象が動きます。どうしたらさっと全体の形がとれますか? 写真なしでやってみたいので、ぜひやり方を教えてください。
(大阪府・富田林市・松倉)

 

動くものを描くには短時間で対象物の特徴と形態を捉えなければなりません。こうしたものはスケッチではなく、クロッキーと呼ばれる描き方になります。短くて1分、長くても10分です。動くものを描くのは江戸時代の絵師もチャレンジしています。筆で雀や馬、犬や猫、魚や虫を手早く描いています。描き方はまずモチーフをしっかり観察することです。特に足や身体の動き、頭の位置などを記憶します。これによって、全体を描いた後に部分を加筆することができます。練習に適しているのは動物園の動物です。水族館も腕を磨くことができます。魚は一瞬たりとも同じ場所にいてくれません。公園の鳩などもいいモチーフになります。とにかく、クロッキーは量をこなさなければ上達しません。用紙は上質紙(コピー用紙)かクロッキーブックが適しています。鉛筆は2B程度がいいと思います。消しゴムは使いません。形をざっくりと線で描くようにします。チャレンジしてみてください。

※編集部より:他にもご質問がありましたが一回のご質問の数は1個にさせていただいています。よろしくお願いいたします。

<パステルについて>
 

趣味でパステル画を描いています。よくジェッソを下塗りにすると、パステル定着がよくなると聞きますが、何を使っているでしょうか。刷毛とかペンキローラーのようなものとか専用のものはありますか? またジェッソを塗ってしまうと紙はヨレたりしないのでしょうか。これといった塗り方が見つからないので、教えていただきたいです。
(京都府・京都市・三間)

 

パステルでの定着は最も悩ましい問題です。パステルが使用されてからこれからもこれで苦しむ画家は永遠にいなくならないとさえいわれています。ジェッソを下地にする方法もありますが、それがパステルの定着を解決してくれるかといえば、断定はできません。ジェッソを塗るには均一に塗れるグランドローラーがあります。滑らかに塗れます。ジェッソは表面が滑らかなので色が付きづらいです。紙やすりで表面を研ぐといいでしょう。パステルは粉末ですので、基底材の表面がザラザラであることが求められます。最も色が付きやすいのは目の細かい紙やすりそのものです。しかし定着となると紙やすりも絶対ではありません。となるとパステル専用のフィキサチーフを使うのが無難とされています。

<プチカラーについて>
 

皆さんこんにちは。TCを楽しませてもらっています。最近は外で簡単な水彩をするようになりました。携帯用水彩セットのプチカラーは便利で、バッグに入れて旅行に出ています。セットには水筆があるのですが、水を使い切ったときはどうしているのでしょうか?くだらない質問ですみません。近くに水道もなく困ったことがありましたので、教えてください。
(福井県・鯖江市・下平)

 

プチカラーセットは本当に便利ですね。日本だけでなく世界中で愛されているセットです。中国でも若い人が持っているのをよく見かけます。さて、水彩には水が不可欠。水筆に入れられる水の量は決して少なくありません。しかし、補充をし忘れたり、大きな作品を描いてうちに水切れになることもあります。
近くに水飲み場やトイレがあればいいのですが、そういうときは本当に周囲に何もないことが多いですね。解決法が一つあります。飲料水を小さいペットボトルに入れて持ち歩くと便利です。筆洗代わりにもなります。水は重いので、小さいボトルで十分です。

<絵の基本について>
 

「絵の基本」って何でしょうか? 始めたばかり、あるいは半年ぐらいの人は何をしたらいいのでしょうか? たとえば、デッサンは始めは卵やティッシュなどの白いものをモチーフにするといいと聞きますが、初めての人は何から始めたらいいのでしょうか? よろしくお願いいたします。
(大阪府・富田林市・松倉)

 

絵を始めるにはデッサンからという風に思っている人は多いと思います。一般的に形と影の関係を知り、正確に描写できるようにすることが念頭にあるからです。そのため余計な色がない石膏像とか卵をモチーフにするのがいいと言われています。しかし、浮世絵師のように墨でスケッチすることで形を覚えるやり方もあります。つまり、始め方にもいろいろあるということです。
また、デッサンから入るよりも、模写から入った方がいいという考え方もあります。師匠の描いた作品を下敷きにしてなぞって練習する方法もあります。書道では今もそれが基本です。また、ヨーロッパでも名作を模写して勉強する方法もあります。今でもヨーロッパの美術館では模写をしている美学生の姿が見られます。
絵は色と形で成り立っています。そこに光と材質が加わります。それぞれを個別に勉強してもいいでしょう。大切なことは、量をこなすということです。たくさん描けば実力は必ず付いてきます。

<紙の管理、保存方法について>
 

TCをいつも楽しみに見ています。パステルや、スケッチブックなど紙の管理、保存方法に関してですが、今まで、使わずに置いておくとスケッチブックの隅が黄色っぽく変色してたり、波打っていることがありました。パステルもまれにポロポロもろくなりかけているものもありました。これからの季節 雨や湿気がすごく気になります。バラで買い足しているパステルでも時々定着させたほうがいいですか?
パステルと紙の正しい保存方法を教えてください。お願いします。
(大阪府・寝屋川市・永冨)

 

いつも本誌をご愛読いただきありがとうございます。画材の管理に関するご質問ですね。画材には化学反応などに弱いものがあり神経を使います。画材が最も嫌うのが湿気です。紙が波うつのも黄ばむのも湿気の影響です。使用しないものは風通しの良い所に置くか、乾燥剤を入れたプラスチックケース(ビニール袋でも可)に入れて保管してください。パステルなどの保管にはタッパーなどのプラスチックケースが最適です。
紙の場合は、湿気の他に空気にも侵されていきます。空気中の酢酸やトルエンなども作品に影響を与えます。室内で飾る場合にも風通しの良い所を選ぶ必要があります。光にも絵具や基底材は反応します。保管する場合は暗所を選んでください。
最後にパステルの定着ということがありましたが、これはパステル画のことでしょうか?よく乾燥させた作品なら何度も定着させる必要はありませんが、時々軽くかけるのなら良いでしょう。ただし、完全な定着材はないのが現状です。色の変化や光沢が出ることがありますので注意してください。

<ドローイングの際の画材について>
 

ドローイングに興味を持っていろいろな画材に挑戦中です。パステル鉛筆、チャコールペンシル(黒だけでなくアースカラーのものも含めて)、木炭、グラファイトなど、水に溶けるものがありますが、違いは何なのでしょうか? また使い分けるに当たって注意しなければならないことはありますか? ご指導よろしくお願いいたします。
(三重県・名張市・柴野)

 

いろいろな画材に挑戦することは大変良いことだと思います。画材体験をして自分に合っている画材を見つけることができます。ご質問のそれぞれの画材の特徴をまず紹介します。
パステル鉛筆=材質はパステルと変わりません。顔料と固めるメディウムとからできています。パステルよりも少し固めです。スケッチよりもパステル画の細部の描き込みなどに威力を発揮します。
チャコールペンシル=チャコールとは木炭のことです。木炭の粉末と粘土の粉末を少量入れて固めたものです。木炭の性質が強いので筆圧も軽く描くことができます。スケッチやデッサンで使われます。
木炭=絵画用の木炭です。柳、ミズキ、桑等の小枝を釜で蒸し焼きにしたものです。一般的によく使われているのは柳のものです。これは炭そのものです。固着力はパステル同様強くありません。布で叩いて消すことができます。
グラファイト=純度の高い黒鉛と粘土で固めたものです。黒さが濃くて滑らかに描けます。鉛筆スケッチやデッサン、あるいは鉛筆画に用いられています。
コンテ=黒鉛や炭を粉末化し蝋(ろう)または粘土を混ぜて圧縮したもの。クレヨンの一種と考えられています。下描きやデッサンに使われています。
これらの多くはデッサンやスケッチ用なので消すことが容易にできるものです。木炭やパステル鉛筆など布で叩けば落ちてしまいます。そのため固着力がないので水で溶けます。コンテは落ちづらいです。
どれがいいと言うことはできません。これらを使ってみて、自分になじむものを探してください。

<油絵のカビにつて>
 

家に飾ってある油絵がカビてしまいました。カビ対策と、生えてしまった時の対処法を是非教えてください!!
(埼玉県・秩父郡・池田)

 

油絵は日が経つと少しずつ劣化していきます。その原因には大別して2つあります。一つ目は空気が触れることによって、酸化したり空気中の水蒸気や油性分が付着したりします。二つ目は、光による褪色があります。
劣化には、油性分などの付着、カビ、黄変、ひび割れ、剥落などです。表面に付着した油性分などの汚れやカビは消毒用エタノールでふき取るのがいいと思います。市販されているクリーナーや洗浄液は、絵具まで溶かす可能性があるため、素人は使用しないでください。
消毒用エタノールは薬局で買えます。ガーゼのような布に染み込ませて拭き取るか、筆につけてなぜるように拭きます。風呂場やガラス窓用のカビ取り用は絶対に使用しないで下さい。
黄変やひび割れは、修復という専門技術が必要になります。その場合は画材店や美術館で相談されるとよいと思います。
最高の対策は作品を風通しのよい場所に飾ることです。月に1回程度エタノールで付着しているチリなどを除去するのもいいです。それと作品をよく乾燥させてからバニッシュなどで保護膜を作ると絵具の発色を損なうことなくエタノールで拭けます。

<落ち葉に絵を描きたい>
 

落ち葉が目立つ季節となりました。その落ち葉に絵を描きたいと、いろいろ拾ってきてはみたものの、どうやっていいのか皆目見当がつきません。そもそもこんなものにも絵が描けるのか、それすらも分かりません。紙に描くのが飽きてきた私に光を与えてください。
(佐賀県・武雄市・島地)

 

落ち葉に絵を描くのは素晴らしいアイディアだと思います。絵は紙に書かなければならないということはありません。板に描いたり、コンクリートに描いたり、生活の身近なものに絵を描くのは楽しいことです。TCでもこれまで多数の基底材を紹介してきました。葉や石に絵を描いたこともあります。葉に絵を描く場合の注意として、良く乾燥していることが大切です。また、水洗いして清潔な状態で描くことです。葉には油性分があるものがあります。それを考えるとアクリル絵具が適しているといえます。もろい枯れ葉には一度、下地材のジェッソを塗ってから着彩すると、強度を増します。着彩の仕方は紙と全く同じです。難しいことは何もありません。枯れ葉に絵を描き部屋に飾るのも楽しいです。もちろん飾り方も楽しめます。ぜひ、チャレンジしてみてください。

<色鉛筆について>
 

TCを楽しみにしています。絵を描こうという刺激になっています。色鉛筆の絵は他の画材にない味わいがありどうしても私もやってみようと最近思うようになりました。色鉛筆には何種類かの性質の違うものがあることを知り、自分に合っているのがどれなのか見当がつきません。TCの色鉛筆の特集を参考にしているのですが、イマイチ色の出方が分かりません。初心者はどの色鉛筆から始めればいいのか教えてください。
(北海道・旭川市・藤井)

 

いつも愛読いただきありがとうございます。色鉛筆は入りやすい画材です。しかし、なかなか奥の深い画材でもあります。色鉛筆には大別して3種類あります。油性色鉛筆、水彩色鉛筆、パステル鉛筆です。水彩とパステルは文字通りその画材の性質が表現を支えています。また、水彩もパステルも水に溶けますからそれだけ表現の幅が広いともいえます。しかし、それぞれの画材には扱うための技法があります。どれが簡単ということではありません。色鉛筆は線描の画材です。それは共通の基礎です。最初はその基礎を最も主としている油性色鉛筆を使うのがいいと思います。それから他の2種類も使い、自分に合っているものを見つけてください。色鉛筆は楽しい画材です。それを知るだけでも素敵なことだと思います。

<アクリルガッシュについて>
 

いつもTCを楽しみにしています。今、興味を持っている絵具にアクリルガッシュがあります。まだ使ったことがないのですが始めたいと思っています。その特徴とどこのブランドが良いのか教えてください。
(愛知県・岡崎市・宍倉)

 

TCを愛読いただきありがとうございます。アクリルガッシュは今人気の画材で、TCでも連続して取り上げてきました。アクリルガッシュの特徴は水溶性ですが乾燥後に耐水性になります。発色の仕方は不透明水彩と同じです。無光沢でしっとりとして見えます。被覆力(下の色を隠す力)が強く、薄く重ねても独特の味が出てきます。仕上がりはフラットになりますので、立体物の着彩などにも使われます。また、耐水性を生かし壁画などの画材としても用いられることが多いです。どこのブランドが良いかとのストレートなご質問に少々戸惑いましたが、ストレートにお答えします。オススメはアムステルダムのアクリリックガッシュです。今回20 という小型サイズが販売され、これまでの80色がそのまま用意されています。ガッシュは無光沢なので色味がそのまま目に入ります。つまり発色が命なのですが、アクリリックガッシュの発色は抜群です。決定的なのは、アムステルダムのアクリリック用メディウムがそのまま使用できることで、これは他のメーカーのものにない特徴です。使い方はこれまでのTCをご覧ください。

<和紙の裏打ちについて>
 

和紙を扱ったものに対する自分でできる裏打ち方法はありますか?
(大阪府・富田林市・松倉)

 

和紙は強くて、しかも柔らかな材質です。そのままで額装したり表装するとしわしわな感じになってしまいます。そこで、別の紙を裏から貼って、表面を平らにし、強度を強める方法がとられています。これが裏打ちです。これは絹などの布の材料にも用いられています。裏打ちの工程は、それほど難しいものではありませんが、文字で表現するとなると困難になります。
@まず、使用する和紙と裏打ちをする用紙を平らな板の上に水をたっぷり含ませて乗せます。バケツや洗面器に水を入れ含ませるか、スポンジに水を付けてそれぞれの紙の両面を水で濡らすかしてください。
Aそれぞれの紙の余分な水分を拭き取ります。ここではティッシュとかタオルを軽く押しつけるようにして、水分を吸わせます。
B台紙となる方の表面に、刷毛などででんぷん糊を薄めて延ばします。塗り残しのないようにまんべんなく糊を付けてください。
C糊を付けた台紙(糊が付いている面)を、主紙の上にかぶせます。乾いたスポンジで中央から軽く押しつけながら、間にある気泡を外に向け押し出します。ここが最も慎重を期す場面です。
D台紙を貼り付けものを、はがし洗濯物を干す要領でつり下げ乾燥させます。これで終了です。

<透明水彩について>
 

今年の誕生日で定年を迎えます。これを機会に何か趣味を持ちたいと考えておりました。前々から絵画に興味があったので、水彩画をやってみたいと思っています。あるホームセンターに行った時、ターレンスクラブ(TC)を見つけました。そこに透明水彩の使い方がコンパクトにまとめられ紹介されていました。お伺いしたいことは、何となく透明水彩は敷居が高いと思うのですが、私のような初心者でもやれるものなのでしょうか、ということです。ご回答よろしくお願いいたします。
(東京都・西東京市・柿沼)

 

長い間お仕事ご苦労さまでした。TCがお目に留まったことは偶然とはいえうれしいことです。水彩画を始めたいとのことですが、決して敷居が高いわけではありません。何事もやる前は高い壁のように思えるものです。しかし、一歩を踏み出せば、技術は付いてきます。大切なことは、楽しみながら絵を描くということです。透明水彩は奥が深い画材です。難しい側面もあります。どんな技法も続けているうちに上達します。TCの「画材案内」は初心者の方が何を揃え、どんな基礎が必要かについて書いてあります。どうぞ透明水彩編を参考にしてください。

<クレパスについて>
 

私はオイルパステルを使って絵を描いていますが、まだまだ未知の技法が多く、その奥深さを感じています。そのためTCのクレパス特集をいつも楽しみにしています。質問ですがクレパスが油絵具のようにどろっとした感じの作品を見ることがあります。あの表現はどのようにしてやっているのでしょうか? クレパスの特集があれば是非取り上げてください。
(山口県・岩国市・石平)

 

いつもTCを愛読していただきありがとうございます。クレパスの特集は人気があります。ご質問の技法ですが、多分厚塗りでのヘラ操作か、ドライヤーを用いた技法だと思われます。厚塗りで出てきた色カスをヘラで押しつけていき、最後に仕上げバニッシュを吹きつけつや出しをする技法があります。もう一つはドライヤーを吹き付けながら着彩する方法です(今号HOW TO DRAWで紹介)。この方法ですとどろっと溶けた雰囲気が出せます。まさに油絵です。クレパスは表現の幅が広い画材です。どうかこれからもチャレンジし続けてください。

<粘土着彩について>
 

いつもTCを楽しみにしています。粘土で作られたフィギュアを見たことがあります。彫刻刀が必要と聞いたことがあります。私もフィギュアを粘土で作りたいと思うのですが、粘土や着彩画材を教えてください。手先は器用ではないのですが、細かい作業を根気よくやるのが好きです。よろしくお願いいたします。
(福島県・須賀川市・山辺)

 

TCを楽しみにしていただきありがとうございます。ご質問は、多分硬質の粘土に関するものだと思います。フィギュアなどに適しているのは、「ラドールプルミエ」という石粉でできた粘土です。きめが細かく滑らかに伸びます。乾燥すると硬質になり、彫刻刀や紙やすりが使用できます。フィギュアだけでなく篆刻や彫塑もできます。ラドールには他の種類もあるのですが、最も白いのがラドールプルミエです。白いと着際したときに色の発色がよくなります。また軽量なので、扱いも楽です。着彩におすすめは、アクリルガッシュです。一度試してみてください。

<蛍光色の画材について>
 

イラストで蛍光色を使ってみたいのですが、特にオススメの画材ってありますか? また、他の画材との違いがありますか? 気をつける点などを教えてください。
(新潟県・上越市・樋口)

 

ご質問ありがとうざいます。蛍光色の画材ということですが、あなたがどのようなイラストを描きたいかで決まります。蛍光色を早くから揃えていたのはポスターカラーです。ポスターカラーは滑らかなベタ塗りができます。乾燥後も水溶性を維持しますので、着彩してからも加工する場合にはいいでしょう。透明感のあるものをお望みでしたら、アクリル絵具がいいと思います。蛍光色自体が透明度が高いので、他の色との混色のような効果が出ます。いま最もオススメなのはアクリルガッシュです。特にアムステルダムのアクリリックガッシュは最高級の発色です。蛍光色で気をつける点は、透明感が高いので何度も重ね塗りをする事です。また耐光性が弱いので飾っておくような作品にはお勧めできません。POPとかイラストに向いています。

<色鉛筆について>
 

色鉛筆を見ているとワクワクしてくるのは私だけではないと思います。色鉛筆で絵を描きたいという欲望はあのかわいらしさから来るのだと思いませんか。そこで質問なのですが、普通の色鉛筆と水に溶ける色鉛筆のどちらが初心者に向いているのでしょうか。この回答によって、色鉛筆画を始めて見ようと思っています。ご回答よろしくお願いいたします。
(埼玉県・熊谷市・四戸)

 

色鉛筆をこよなく愛する方の質問だと思います。表現がキュートですね。普通の色鉛筆というのは油性色鉛筆ではないかと思います。油性色鉛筆は滑らかさが特徴です。滑らかな着彩はべた塗り(下地の紙が見えなくなる塗り方)はその色を最大限に発色させます。水には溶けません。重ね塗りによってある程度混色ができます。水に溶けるのは水彩色鉛筆です。言うまでもなく塗ってから水で溶かし水彩画を描くことができます。どちらが初心者向きというものではありません。あなたが色鉛筆画を描きたいのか、水彩画を描きたいのかで決まります。どちらも究めれば楽しい画材です。強いて言うなら、両方使ってみて自分に合っているものを選ぶといいでしょう。

<作品について>
 

いつもお世話になっています。一つお尋ねさせていただきたいことがあります。主人や自分が撮った写真を絵の作品にする事があります。時には雑誌や「ふるさと小包」(郵便局の)の中に掲載されている写真から描くこともあります。このハガキの絵も「ふるさと小包」から描きました。
雑誌の写真から描く時は転載禁止のような「描くのは禁止」みたいに書いてあるのはもちろん描かないようにしています。そのような但し書きがないものは断りを入れずに描いても良いですか? もちろんそっくりそのままではなくアレンジして描きますが。
(兵庫県・神戸市・中)

 

TCを愛読していただきありがとうございます。この質問は今号の特集のテーマのコラージュにもいえることです。昨今は著作権に関することがやかましく言われるようになりました。写真には著作権があります。ただ人の写真を元に絵を描いた場合、その写真の作者が訴えなければ黙認されます。模写であっても著作権に触れます。次の場合は、それが画面全体から見て四分の一以下であれば引用ということで使用できます。画面全体から見て小さく扱うということです。次に、その写真をヒントに新たな絵を描いたものは、創作に当たるので模写ではありません。写真が公表されてから50年を経たものは著作権が消滅します。ただし作者の孫が存命中は人格権があります。最後に、作者に承諾を得るか、参考・引用を明示するといいでしょう。キャラクターや有名人には著作権や肖像権がありますから、メインで使用するのは止めましょう。あくまでも作品の一部での引用にとどめてください。自分の写真を使うのは当然ですが自由です。

<ペン画について>
 

ペンでマンガを描く人は多いと聞きますが、ペンでイラストやペン画を描く人はいるのでしょうか? ペンによる作品をほとんど見ることがありません。というか、自分の視野が狭いためか、ペン画というものに触れる機会がありません。そこで使われているペンとは何でしょうか? どのように勉強したら良いのでしょうか。漠然とした質問で申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
(山梨県・富士吉田市・芝山)

 

この質問は前にいただいていたものですが、TCがペン画を扱う機会を待っていました。回答が遅くなり申し訳ありません。ペン画をやる人は少なくなりました。しかし、挿絵やイラストの世界での需要はあります。また、エッチングなどの版画もペン画の一種と考えていいと思います。ペン画で使用されいるのは製図ペンが種ですが、マーカーや付けペンも使われています。製図ペンはホルダー内にあるタンクにインクを持っていますので、そのまま描くことができます。ただし線幅が固定されていますので、自分の筆圧によって線幅を変化させることはできません。付けペン(Gペンや丸ペン)はインクを用意しておき、付けながら描きます。こちらは、筆圧によって線幅を変化させることができます。線画はどうしてもモノクロのものが多くなりますが、色付きの製図ペン(ピグマペン)も市販されています。あとは、マーカーの仲間です。どのように修得したら良いかはそれぞれのペンによって異なりますが、ペン画の本も多く出版されていますので、それらを参照してください。

<ガラス絵について>
 

ターレンスクラブの皆さんこんにちは。私はターレンスクラブで技法を覚え絵を描いています。先日、友人の展覧会でガラス絵というものを初めて見ました。友人は油絵具で描いていると言ってましたが、ガラス絵専用の絵具はあるのでしょうか? またその描き方についておおざっぱでかまいませんので教えてください。今、最も興味があり、やってみようと思っています。TCでも取り上げてください。
(青森県・黒石市・下島)

 

いつもTCを愛読いただきありがとうございます。ガラス絵は14世紀のベネチアで発達した古い技法です。専用の絵具ではなく、ワニスや溶き油などを混ぜた顔料を使って絵を描くものです。簡単に言ってしまえば油絵具などが適しています。不透明な絵具が向いているといわれています。それを考えると現代ではアクリルガッシュが最適だといえます。ガラス絵の難しいところは、左右を逆にして描かなければならないことです。絵は裏側から見ることになるからです。また、最初にガラスに塗った色が見えるので、重ね塗りをして重厚な色を作るのには向いていません。ガラスは割れると大変なので、透明なプラスチック板を使うのがお勧めです。TCでも扱ってみます。ご提案ありがとうございます。

<展覧会出品の作品の額装について>
 

展覧会に出品することになり、額装のことで聞きたいのですが、額縁はなぜ付けるのですか。シンプルな額縁と装飾的な額縁がありますがどう使い分けるのでしょうか。絵の周囲に紙のようなものがあることが多いのですが、必要なのでしょうか。こんな、ド素人な質問で申し訳ありません。
(長野県・長野市・佐藤)

 

額装は必ずしなければならないというものではありません。自分の絵をどう引き立てるかの問題です。額が付くと、絵が周囲に溶け込まず独立して見えます。油絵のように仮縁(かりぶち)といってシンプルな額を付ける場合は絵を独立させたいからです。彫刻を施した豪華な装飾性のあるものは、絵が重厚な場合にふさわしいでしょう。ガラスで保護するのは、家で長く飾る場合です。現代的な絵の場合はシンプルな額の方が適しています。彫刻が絵に違和感を与える可能性があるからです。
絵の周囲にある紙は、額装マットと言います。純粋に絵だけを余裕を持って見せたいときには、このマットがあった方がいいでしょう。マットは専用のカッターで切りますが、額装の専門店か画材店にお願いするといいでしょう。基本となるのは、あなたが描く作品がどのようなものかで、額装は違ってくるということです。サイズも種々あり、金額もピンからキリまであるので画材店などと相談された方がいいと思います。

<色で表現する作品について>
 

暑い夏でしたがTCの皆さんは熱中症などにかからなかったでしょうか?この暑さは絵を描く気力も奪いました。といいながらしっかりとクーラーの中、秋の地区の文化祭に向けた作品を制作しています。今年は、色で勝負しようと思っているのですが、色だけの作品って成立するのでしょうか?前々からお前の絵は分からんと、知人に言われています。やはり形をしっかり描いた方がいいのでしょうか。個人的な悩みをぶつけてしまったようですみません。人には聞けないことのような気がして、質問させていただきました。
(栃木県・日光市・下条)

 

本当に暑い夏でしたね。TCのスタッフは全員元気にしております。人に聞けない質問、大歓迎です。さて、質問ですが、色で勝負といいましても、絵にはすべて色が付いていますから、モチーフとして具象形は用いないということでしょうか。それなら抽象画の世界ですね。その際に大切なのは、あなたのどんな気持ちを表現するか、ということです。色は感情とかイメージを表現するのに適していますから、その気持ちに合ったイメージの配色を行います。参考になるのは「カラーイメージチャート」といったチャートブックです。それともう一つ大切なのは、他人のことを気にせずあなたの気持ちいい描き方で描いて下さい。元々、絵には描き方のルールはありません。どうか色を楽しむ、という気持ちで制作に挑んで下さい。ちなみに、油絵具は気分を爽快にさせてくれます。文化祭の作品見たいです。

<ワニスについて>
 

クレパスワニスのテクニカルコートとフィニッシュコートの違いとその使い方を教えてほしいのですが……。できればどのくらいの量を吹き付ければ良いのでしょうか。よろしくお願いします。
画材の知識の文章は分かりやすく参考になっています。
(東京都・中央区・高梨)

 

パステルやクレパスは、仕上げても触れると色がはげ落ちてしまいます。それを保護するためにフィキサチーフやワニスが使われています。クレパスには2種類のスプレー式のワニスががあります。テクニカルコートとフィニッシュコートです。クレパスは重ね塗りが苦手な画材です。重ねるとどうしても下にある色と混ざったり、全く乗らなかったりします。そんなときにテクニカルコートを軽く吹き付けて、乾燥後重ねて塗ると色が乗ります。吹きつけの量は口で言うのは難しいですが、30p以上離して、軽く2秒ほどででいいです。作品を仕上げるときに定着させるために使うのがフィニッシュコートです。これも軽く吹き付けます。ただし、完全にコートするのではなく手で触れたぐらいでは落ちない程度にコートするのに使います。厚くコートしたいときはワニスを平筆で塗ってください。

<盛り上げ技法について>
 

最近、普通に描くのに飽きてきて、何か気持ちをぶつけられる描き方がしたくなりました。気になっているのが油絵の盛り上げ技法なのですが、他の画材にも同様な技法があるのでしょうか。絵の経験も少ない自分が生意気なのですが、自分の性格に合っているように思えます。盛り上げ技法のことを教えてください。
(静岡県・掛川市・八津)

 

技法に興味を持たれることはいいことです。なんでも好奇心から始まると言われています。盛り上げ技法は、実はいろいろなところで行われています。日本画にも胡粉で盛り上げる技法があります。名古屋城の障壁にも残されているぐらいです。ヨーロッパの額縁の装飾には盛り上げ材が使われていました。漆芸や焼物にも同様の技法があります。いま最も盛んに行われているのはアクリル画です。盛り上げ用の材料が各種用意されています。直にダイナミックにやるにはやはり、油絵が一番です。

<鉛筆画について>
 

TCの皆さんこんにちは。TCの画材知識は意外な知識が多く、ためになっています。毎回楽しみにしています。こんなことを聞いていいのかどうかわかりませんが、シャープペンシルでデッサンやスケッチをしていたら、先生に注意されました。鉛筆を使いなさい、ということですが、なぜシャープペンシルではいけないのかの説明はありませんでした。その後も理由は聞けないでいます。シャープペンシルを使っていけない理由を教えてください。
(岐阜県・高山市・兵頭)

 

いつも楽しみにしていただきありがとうございます。そういっていただけると張り合いがあります。シャープペンシルは別名機械鉛筆とも言われ、削らなくても線幅が一定の細い線が引けます。製図用には不可欠の道具です。しかし、デッサンや鉛筆画では相変わらず鉛筆が使用されています。確かに絵を描かれる方の中にはシャープペンシルは邪道とまでいかなくても使うべきではないと主張される方もいます。しかし、自分に合っている画材であるなら人に強要すべきことではありません。鉛筆は筆圧で線幅が変化したり、太い線も引けるのが特徴です。シャープペンシルの線は確かに機械的な雰囲気がありますが、それがまた良い場合もあります。また、日本では鉛筆とシャープペンシルは別物と考えていますので、鉛筆というとシャープペンシルは含まれません。ヨーロッパでは鉛筆というとシャープペンシルも含まれます。つまりヨーロッパではシャープペンシルも絵画にかなり使われているということです。自分が気持ちよく描ける方を使ってみたらいいと思います。

<パステルについて>
 

いつも画材の基本的な知識をTCから教わっています。最近、水彩よりも塗っている感触が強い、クレパスやパステルを使い始めました。光沢のある基底材に描きたいという欲望が強くあります。クレパスなどでは何となく描けるのですが、パステルはうまくいきません。パステルでつるつるのところに描くコツを教えてください。
(福岡県・福岡市・岡田)

 

いつもご愛読いただきありがとうございます。パステルは糊の成分がない画材です。そのため、色を押しつけて着彩します。基底材は繊維性の強いものとか、ザラザラしたものにしか色を付けることができません。どうしてもということであれば、2つほど方法があります。一つは着彩するところにあらかじめジェッソを塗って、そこにパステルを着彩します。ガラスや透明プラスチック板に適しています。もう一つは、多少光沢は落ちるのですが、パステル用のフィキサチーフを、軽く吹き付けてから、着彩すると色が乗ります。いずれも、濃厚なパステル画にはなりませんが、その味を楽しむことができます。

<混合画法について>
 

混合画法について質問いたします。色々な画材を使って描きたいと思っています。でも、描く手順を間違えれば、上に色が乗らないとか聞いたので、画材同士の大まかな相性について教えてください。例えばソフトパステルとオイルパステル、油絵具とテンペラ、水彩絵具とソフトパステルです。TC秋号ありがとうございました。いつも楽しみにしています。
(三重県・名張市・柴野)

 

混合技法は相性を考えて行う必要があります。相性がよければお互いの特徴を更に拡大することができます。ただし、順序を間違えればひび割れや化学変化などが生じる場合があります。

【油絵具とアクリル絵具】
アクリル絵具の下地に油絵具を乗せるのは可能ですが、その逆は不可です。
【ソフトパステルとオイルパステル】
ソフトパステルとオイルパステルの併用は一般的にありません。ただし、オイルパステルの上にパステルを振りかけるのは可能です。
【油絵具とオイルパステル】
乾いた油絵の上にオイルパステルは乗ります。
【油絵具とテンペラ】
両者の相性は良いです。何方を上にしてもかまいません。
【水彩絵具とソフトパステル】
水彩の上にソフトパステルを乗せるのは可能です。その逆は発色の関係であまりいい効果がありません。
【水彩絵具とオイルパステル】
水彩の上にオイルパステルは乗ります。オイルパステルの上の水彩は弾きますが可能です。

<水彩絵具について>
 

水彩絵具は小学生のときに使っていました。そのためか今でも私にとって最も使いやすい画材になっています。ところが水彩絵具の歴史などはまるで知りません。水彩絵具というよりも水彩画はいつ頃から始まったのでしょうか。教えていただけたらと思います。
(島根県・松江市・田浦)

 

最古の絵具は3万5千年前のスペインのアルタミラ洞窟画に使われたものです。水彩絵具の初歩的なものは紀元前のギリシャですでに使われていました。しかし紙に描くための絵具はルネッサンス初期に画家が自ら作って、それで作品を描いていました。色数は現代のものよりかなり少なかったのですが、優れた水彩画が残されています。その代表的な画家にオランダのレンブラント(1606?1669年)がいます。ただ、田浦さんが念頭に置いているのは多分チューブ入りの水彩絵具だと思います。現代のようなチューブ入りの絵具が作られたのは19世紀半ばといわれています。ヨーロッパでは絵具は画家が作る伝統が続いています。今でも自分でチューブ入りの絵具を自作する人が数多く存在しています。日本でも19世紀末にはチューブ入り絵具が生産されるようになりました。

<クレパスについて>
 

クレパスにはまっています。子供の頃使った印象と少し違うのです。子供の頃はもっと自由に使っていた気がしますが、きちんと使ってみると意外に難しいなと思いました。特に、カスのような色の粒が邪魔です。知らずにこすったりすると、いらない線が出て来たりします。このカスの上手い処理法がありますでしょうか?
(群馬県・嬬恋村・近田)

 

クレパスが幅広い表現のできる画材であることはあまり知られていません。マスキングをすることでシャープな表現ができたりします。しかし、悩みは色のカスですね。処理の仕方にはいくつかありますが、同じ色であれば指で延ばします。別の色と思われる場合には、楊枝(ようじ)の先に指してティッシュこすり付けて取り除きます。あるいはカッターナイフの先に乗せて除きます。カッターナイフは色を削り取ったりすることもできるので便利です。ティッシュや布で拭き取るのは、カスの色が延びる場合があるので、注意が必要です。

<油絵具について>
 

最近になって、油絵に興味を感じています。ただ、あのオイルの匂いが嫌で、何となく敬遠していました。画家の皆さんはあの匂い、平気なのでしょうか。そうまでして、油絵をやる魅力とは何なのでしょうか? 油絵画家さんが多い理由がイマイチよく分かりません。取り止めのない質問になってしまいましたが、こんな私でも油絵はやれるでしょうか?
(福岡県・福岡市・青木)

 

油絵は絵画の王道とも言われています。それだけ多く画家の心を捉えているものであることは確かですね。あの匂いが嫌だという人は多いです。実は油絵の匂いというのは一種ではありません。オイルといっても植物性、石油製、動物性などによって匂いは異なります。匂いの薄いものもありますが、いわば慣れの問題ですので、慣れてしまうのが一番です。油絵の魅力は沢山ありますが、一番は絵具の乾燥が遅いので、その間に加工がいろいろできることです。じっくり絵を描くのには最適な世界です。最初は難しく感じる技法ですが、意外にやってみると楽しいものであることが分かります。どなたでもできます。どうぞマスクをしてでもやってみてください。あっと言う間に虜になるはずです。

<アクリル絵具について>
 

TCのスタッフの皆さん、お元気ですか。いつも楽しい情報ありがとうございます。これまでちゃんと絵を描いたことがないのですが「美味しい絵の描き方」を読んで私もアクリル絵具を使ってみたくなりました。筆のことがあまり詳しく書いてないのですが、どんな筆でもいいのでしょうか?こんな質問自分で調べろですが、質問しちゃいます。
(愛知県・岡崎市・仲村)

 

いつもTCを愛読していただきありがとうございます。TCはサイズなどリニューアルし、さらに内容も充実してきました。今号はアクリル絵具に関する基礎情報が満載、これ一冊あればいつでも本格的にアクリル画を始められます。
筆の質問ですが、TCでは時々触れてきました。しかし、バックナンバーのどれに書いてあるとかの検索は難しいですね。筆は基本的にナイロン筆をお勧めします。アクリル絵具の性質上、天然の毛を痛めます。最近はナイロン筆といえども品質の高いものが増えています。天然のセーブルに近いものなどが作られています。ただ、アクリル絵具の品質もアップしてきましたので、簡単に天然の毛は向いてないとは言い難い段階に来ています。天然の毛が混毛されているナイロン筆も市販されています。やはり天然の毛の滑らかさをどうしてもという場合には、混毛の筆を使ってみるのもいいと思います。また、レンブラントの最高級の豚毛の筆はアクリル絵具にも十分対応しています。とはいえ、セーブルのような高級水彩筆でアクリル絵具を使うのはやはり止めておいた方が無難です。

<アクリルガッシュについて>
 

ターレンスクラブの皆さんこんにちは。今年の冬は本当に寒いですが、こんなときこそ絵を描きましょう。といいながら、私の描く絵はほとんどがマンガ。一念発起してイラストに挑戦したいと思っています。無光沢が好きなのでアクリル(絵具)ではなくアクリルガッシュを使ってみたいのですが、使い方に自信がありません。何の知識も、技術もないこんな私でも簡単に描けるものなのでしょうか?アクリルとの違いを教えてください。
(茨城県・牛久市・銀寺)

 

実はこの問い合わせはかなり前にいただいたものなのですが、アクリルガッシュの特集に合わせて掲載させていただきました。アクリルガッシュは不透明水彩(ガッシュ)を耐水性にしたものと思ってもらえれば良いかと思います。重ね塗りの際に、下の色が溶けないので、層としての発色となり、色の深みが出るのが特徴です。また、使い方はアクリルとほぼ同じですが、濃く塗ると下の色が隠されてしまうのが特徴です。当然のことながら、仕上がりは無光沢でしっとりとした雰囲気になります。
薄めた色から次第に濃い色へ重ね塗りすることをお勧めします。塗った色を変更するのには都合がいい絵具ですので、伸び伸びと制作してください。

<パステルについて>
 

クレパスとかクレヨンが小さい頃から好きでした。最近それを思い出して、手で塗る画材にチャレンジしてみたくなり、パステルを始めました。パステルのあの柔らかい雰囲気が好みなのですが、細密でも描いてみたいと思いがあり、何度かやってみたのですが、どうしても睫毛や細かい表現がうまくできません。プロの方の作品を見ていると驚くほど細密に描かれていますが、どのように描いているのかと気になります。細かく描くためのこつなどがありましたら教えてください。
(神奈川県・横浜市・重森)

 

パステルでの細密ぐらい難しいものはありません。でも猫とか犬などを描いていて、ひげの一本一本がかけたらと思うことがあります。細密な作品は細い線が決め手になります。細い線で描く方法は3通りほどあります。一つはパステルのスティックの角(エッジ)で描く方法があり、これがもっとも一般的です。次に削って先を尖らし細い線を引く方法があります。ここの方法ではパステル鉛筆を使うこともできます。最後の一つは、水やテレピン油で溶いて細い筆で描き込むという方法です。細密に描く場合は、輪郭や細かい部分の描き込みがポイントになりますが、この3つの方法は役立つと思います。また、パステルフィキサで定着しながら、重ね塗りしていくことも、細密に描く際には有効なやり方です。

<色鉛筆について>
 

こんにちは。いつもTC楽しみにしています。色鉛筆には水彩色鉛筆と油性色鉛筆があると教えてもらったのですが、これから色鉛筆画を始めるのにどちらが適しているのでしょうか? また安価な色鉛筆と高価な色鉛筆の違いを教えてください。あまりにも価格が開きすぎているので疑問です。
(兵庫県・豊岡市・井藤)

 

TCを愛読していただきありがとうございます。もっと多くの人に読んでいただけるよう頑張ります。色鉛筆には油性、水性、パステルなどの種類があります。またクーピーのような色芯鉛筆なども色鉛筆の仲間です。油性は文字通り水には溶けません。修正があまり効きませんが色の付きが良く、滑らかな着彩が特徴です。水彩は着彩してから水で溶けて水彩画になります。パステルはボカシができ、細密なパステル画も描けます。それぞれの画材にこれだけ大きな違いがあるので、まず自分がどの表現をしたいのかを決めることが大切です。それぞれの世界にプロがいます。どの色鉛筆がいいかを決めるのはあなたです。価格は良質なものは色の素になっている顔料が多く含まれており、発色が良いといえます。また、粒子の錬磨が細かく着彩が滑らかです。高価なものにはそれなりの理由があるということです。できるだけ良質のものを使ってください。

<アクリル画について>
 

アクリル画では、ペーパーパレットが使われていますが、普通のパレットは使えないのでしょうか? それに代わるものってあるのでしょうか。先日、真夜中にペーパーパレットが切れて、制作を進めることができませんでした。
(福井県・鯖江市・穴)

 

パレットには鉄製、木製、プラスチック製、ガラス板、陶器製などがあります。基本的には画材による決まりはありませんが、水彩は鉄製、油絵は木製、ガッシュやアクリルはプラスチック製が使われています。ペーパーパレットはクリーニングをしなくてもいいので、便利ということもあり、最も多く使われています。紙は石油製品ではないのでエコというメリットもあります。
アクリル絵具は乾燥するとはがれづらくなります。プラスチック製のパレットでは、固まってしまった絵具を落とすのにリムーバーを使います。クリーニングを考えなければ何度も使えるというメリットから、プラスチック製のものはオススメです。
臨時的に使うのであれば、スーパーなどで使用している惣菜などを入れているプラスチックケースも便利です。

<色彩について>
 

色彩感覚を磨くにはどんな方法がありますか?
(大阪府・富田林市・松倉)

 

このご質問は、デザインセンスとかファッションセンスを磨くにはどうしたらよいか、という質問に似ています。この感覚に関する質問に対しては、速成的なトレーニングがあるわけではありません。特に色彩の感覚はどれが良くて、どれが悪い、というようなものではなく、人によりけり、あるいは文化によりけりなのです。
色彩感覚は美しいものを美しいと捉える素直さと、配色によってイメージを作りだす力があれば強めることができるかもしれません。色彩感覚と言われるものの中心には有彩色に対しての感じ方があります。普段から無彩色である黒を使わないとか心がけが必要です。特にファッションでは黒に頼っていると有彩色の服が着られなくなります。いろいろな色を積極的に使って、色の体験を増やすことが色彩感覚を養うと思われます。

<油絵について>
 

人に自画像は油絵の勉強になるから描いてみたら、と言われチャレンジすることにしました。もともとそんなに人を描いたことがありません。油絵も始めたばかりでうまくありません。そんな私にも自画像は描けるでしょうか? また描く時に最も気を付けることって何ですか?
(島根県・江津市・山小路)

 

油絵による自画像は人を描くという時の基礎になると言われています。鏡は顔が一度に見られる大きさのものが必要です。自分というモデルですが、他人と思ってじっくり観察することが大切です。視点をずらさず、見る角度を固定してください。顔は立体物なので、骨格とか、パーツの作りを立体としてとらえることです。光の方向を考えて陰影をしっかり入れます。目とか口というパーツには、少し肌色を混ぜて色出しします。パーツだけが飛び出さないようにするためです。似てるとか似てないというよりも、雰囲気を出すように努めます。また、一番細い丸筆を用意しておくと、唇、まつげ、髪の毛を描く時に便利です。それと、できれば、顔が原寸で描けるぐらいの大きさのキャンバスで描きたいです。

<クレパスについて>
 

クレパスでよく見かけるのですが、色が滑らかに広がっている塗り方はどのようにしているのか教えてください。どうしてもムラになったり、他の色が混じったりしてきれいな広がりのある画面になりません。
(岐阜県・大垣市・肥後)

 

クレパスによる着彩は一見伸び伸びとしたもので自由さが感じられます。しかし、描いていくうちに出る色のカスなどが気になってきます。色を広げる時に、このカスが邪魔で色ムラを作ったりします。広げるときはこのカスを取り除くか、その場所で指で押しつけるかして定着させていいでしょう。
また色を広げるには、それなりの厚さが必要です。ある程度の厚さがないと、指やティッシュで伸ばしてもパステルのようなかすれたものになり滑らかな広がりになりません。この広がりを助けてくれるのがクレパスと同じスティック型をしたエクステンダーという展色材があります。これを重ね塗りしながら色を伸ばすと色がきれいに広がります。

<水彩画について>
 

水彩画でペンや鉛筆の跡がない作品はどうやって描くのでしょうか。トレーサーとかしているのでしょうか。
(大阪府・富田林市・松倉)

 

水彩画には鉛筆の線を生かしたものと、全く消してしまうものがあります。いずれも作者の意図で行われています。線を残す方法はそれほど難しくありません。しかし、跡がないようにするのは工夫が必要になります。最も簡単なのは、下描きをしない、ということです。デッサン力のある人は、いきなり描いてもしっかりとした形を描き出すことができます。しかし、これにはかなりの熟練が必要です。そこに使用する絵具を薄めて下描きする方法は、直接描くよりもやりやすいでしょう。一般の人なら鉛筆で薄く下描きをして、練り消しで消しながら、着彩する方法が向いています。これは手間がかかりますが確実な方法です。下描きは薄くても見えます。薄めに着彩した場合は、消しゴムで線を消すことができます。色を重ねると線は消えづらくなります。

<色鉛筆について>
 

色鉛筆を買いたくて、画材店に行ったのですが、なんだか種類が多過ぎて、自分に合っているものがよく分からず、とりあえず油性のものを買いましたが、水彩色鉛筆とかの方が便利だったのでしょうか?もやもやしているので、聞いてみたくなりました。よろしくお願いいたします。
(静岡県・掛川市・谷津)

 

ご指摘のように、色鉛筆には多くの種類があります。一般的なものに油性色鉛筆があります。色鉛筆で仕事をされているプロの方はほとんど油性です。水彩色鉛筆は、外でスケッチなどをするときに便利です。水で溶かせば水彩画が描けます。パステル鉛筆は、パステル画で細密に描くときなどに適しています。パステルとの併用での効果もあります。色鉛筆の中には全部が芯のクーピーなどもあります。最近では大人の塗り絵で大活躍です。色の付き方は弱いのですが、携帯に便利です。目的によって色鉛筆を選んでみてください。もし、本格的な色鉛筆を目指すのでしたら油性が無難だと思います。

<コラージュについて>
 

コラージュの意味がよく分かりません。パソコンなどで写真を合成するのもコラージュと言われていますが、実際にはどのような技法を指すのでしょうか? また、素材の著作権はどのようになっているのでしょうか?
(青森県・弘前市・柴又)

 

コラージュは20世紀初頭に生まれた表現技法です。もともとの意味は「貼り合わせる」です。当時は、印刷物を接着剤で貼り合わせるという作品が中心でした。しかし、最近では素材の幅が広がり、繊維や金属なども貼り合わせて制作されるようになりました。ご質問のパソコンでの写真の合成は現実的に接着剤を使用しておらず、コラージュの意味からははずれます。あくまでも写真合成の意味で「コンポジト」か「モンタージュ」がふさわしいです。

<水彩について>
 

画集を見ていると、使用画材に水彩と記載がある時があります。色味も濃く、明らかにガッシュかなと思っていたら、別のページで透明水彩であることが分かりました。水彩というとかなり広い意味で使われているのでしょうか? 一般的に水彩と言うと何を指しているのでしょうか?
(山形県・天童市・武田)

 

確かに水を使う画材は皆水彩です。アクリル絵具も水彩の仲間ですね。しかし、アクリル絵具やガッシュの時には、そのまま表記するのが普通です。従ってガッシュや不透明水彩は、正確に記載します。つまり、水彩と書かれているときは、ほぼ透明水彩と思ってよいでしょう。中には、複数の水彩を使用した場合にも水彩と記載することがあります。透明水彩は淡彩的に使うのが一般的ですが、かなり濃く使用する場合もあります。そのために不透明水彩と見誤るのだと思います。

<鉛筆画について>
 

久しぶりに投稿させていただきます。鉛筆画の表現技法についてなのですが、最低何本ぐらい揃えたら良いのでしょうか? 動物や子どもを描くときは柔らかい(濃い)鉛筆を使った方が良いのでしょうか?難しい画材ですが、簡単に行う方法はあるのでしょうか?
(東京都・中央区・高梨)

 

鉛筆画はTCでも再三取り上げてきましたが、使用する鉛筆の本数などに触れたことはほとんどありませんでしたね。鉛筆画のプロの方ですと、使用する硬度は5段階ぐらいと言う方が多いです。人によって違うというのが、実際のところです。例えば、HBを基準とする方と、1Bや1Hを基準にしている方では、他の硬度の揃え方も違ってくるようです。その人が何を描こうとしているのか、どのような筆圧の人なのか、そうしたことが硬度を決めさせるようです。確かに、子どもとか動物、植物は2Bや3Bを使う人が多いのですが、2Hという方もいます。また、鉛筆で本当の黒を出すには柔らかい鉛筆ではなく、2H程度の鉛筆で強く塗ると言われています。ということで、まず12種類ぐらいの鉛筆のセットを買い、その中から自分に合ったものを選び、その後はバラ買いをするというのがいいようです。大切なことは、あなたの描きたいもの、そしてあなたの筆圧や癖に適したものを探すことです。

<デッサンについて>
 

デッサンの時「鉛筆を長く持て」と言いますが、それはなぜでしょうか?
(大阪府・富田林市・松倉)

 

鉛筆デッサンや木炭デッサンでは、できるだけ筆記具を先端から離して持つように指導されます。鉛筆の先端寄りを握った場合、線を引くとき支点が手首になりますが、手首からできるだけ長い筆記具の方が、大きなカーブの曲線を描くことができます。そのため、先端の近くを持った場合は、長い線が引きづらくなってしまいます。木炭デッサンの場合も同様なことが言えます。形を描くのは手先ではなく、腕全体であるというイメージを持つことが大切です。伸び伸びと、線を入れた方が、形も伸び伸びしたものになってきます。

<アクリル絵具について>
 

よく油絵のような作品に、アクリル絵具使用、などと書いてあります。聞くところによれば、アクリル絵具は水で溶かして塗るらしいので、自分にもできるのではと思っています。そこでアクリル絵具を始めてみようと思うのですが、何やら幅が広すぎて、何から始めたらいいのかが分かりません。でも、魅力的なのでどうしても覚えたいのですが、どうすればよいのでしょうか。(群馬県・高崎市・越野)

 

アクリル絵具に対するご質問ですね。確かにアクリル絵具の可能性は他の画材と比べものすごく広いものがあります。逆にそれが、何から始めればいいのか、という戸惑いを生む結果になっています。大切なことは、アクリル絵具の性質を早く覚えることです。そのためには、水彩絵具のような重ね塗りを試してみたらいいと思います。ある程度、慣れたら、メディウム類を使って、厚塗りや光沢出しなどにチャレンジしてみてください。ジェルメディウムなどを使えばコラージュも楽しめます。アクリル絵具は使わなければ決して上達しません。たくさん絵を描いてください。

絵具の使用期限について
 

こんにちは。いつもターレンスクラブを拝見しています。前回は、私なんかの絵がエントリーされ、ものすごく嬉しかったです。今回送った絵は、いただいたレンブラントの固形水彩で描きました。画材についての質問なのですが、絵具の使用期限は、どのくらいなのでしょうか? 私は、水彩(チューブ入り)の場合、パレットに出して、そのままにしています。カビが生えたこともないので、5年くらいこの状態で使用しています。アクリルの場合、ふたに付いた絵具はなるべくぬぐったきれいにするようにしています。購入して6年くらいになるのですが、今でも十分描けるので、使用していますが、大丈夫なのでしょうか?(愛媛県・伊予市・篠崎

 

エントリーおめでとうございます。賞品のレンブラントの固形水彩が役立っているのですね。嬉しいです。さて、絵具の使用期限ですが、絵具の種類によって異なります。油絵の場合は、ふたをきちんと締めておけば、平均10年ほどはもちます。ただし、色によって多少長短があります。水彩の場合は、チューブからパレットに出しておけば、通風さえよければ本当に長く使えます。私のは20年ほど経つものがありますが、いまだに良い色をしています。アクリル絵具は、チューブが必ずしも完全気密ではありません。ふたをきちんとしても、微量ですが水分が抜けていっています。そのため、3〜5年ほどで硬くなる場合があります。どうぞ絵具は、お早めにお使いください。

<クレパスについて>
 

ある写生大会に参加したのですが、そこで久しぶりにクレパスを使ってみました。子どもの頃を思い出して、意外に没頭して描いてしまいました。でも、子どもの頃は感じてなかった、難しさを感じました。一つだけどうしても聞いてみたいことがあります。はみ出してしまった色はどのように始末すればいいのでしょうか?
(千葉県・印西市・上村)

 

クレパスは、子どもの頃、自由に何も考えずに伸び伸びと使っていましたので、難しさなどは何もありませんでした。大人になると、頭で納得しながら絵を描くため、難しく感じるものです。クレパスは大人になってほとんど使わなくなる人が多いです。しかし、その伸び伸びした性質は、絵心をくすぐりますね。はみ出した部分の処理の仕方ですが、最も簡単にできるのはカッターナイフによる削り取りです。クレパス専用のツールも市販されていますが、それに加え、カッターを一本用意しておくと何かと便利です。

<鉛筆について>
 

下描きのための画材にはどんなものがあるのでしょうか? 私は主に鉛筆を使っていますが、指導していただいている先生から、シャーペンは線幅が変化しないので、使わないようにと言われています。しかし、何かとシャーペンは便利で、外でスケッチするときも使ってしまいます。私のしていることは間違っていますか? これでは、いい絵が描けないのでしょうか? 率直なご意見をお聞かせください。
(山口県・萩市・山下)

 

山下さん、とても勇気のいる質問だったと思います。絵の世界は、これが絶対ということはほとんどありません。描きたいもの次第ということです。下描きの線を生かしたいのであれば、ペンやマーカーなどを使います。淡彩などでは鉛筆の線が最後まで残ります。下描きはあくまでも下描きということで、最後に見えなくなるのであれば、コンテや色鉛筆でもいいです。さて、シャーペンと鉛筆ですが、強弱を付けた線を残すのであれば、鉛筆がいいです。しかし、それも好みの問題かもしれませんね。使い慣れているなら、どうぞシャーペンでやってください。

<画材について>
 

最近紙以外のものに絵を描いてみたくてしょうがないのですが、そのための知識がありません。例えばガラスとか、プラスチック板のようなツルツルしたものに描く場合は、どんな画材を使ったらいいのでしょうか? また、そういうものが絵として通用するのでしょうか? もし、可能性があるのなら是非やってみたいと思っています。よろしくお願いいたします。 (富山県・氷見市・高田)

 

ガラスやプラスチックを使った絵の描き方は、TCでも扱ってきました。改めて、紹介させていただきます。一般的に手に入る画材では、油絵具、アクリル絵具、エナメル塗料などです。油絵具はガラス絵というジャンルがあります。ガラス面に付いた色を反対側から見るという手法が一般的です。
アクリル絵具は、水を使う絵具ですが、メディウムによって、ガラスや金属のツルツルな面にも描くことができます。グロスメディウムを適度に混ぜながら着彩します。これらの絵具は元々顔料からできており透明ではなく、ステンドグラスのようになりません。ステンドグラスのようにするときはカラーインクにグロスメディウムを混ぜたものを使います。

<ウォッシングについて>
 

絵具で塗られた画用紙を水で洗い流している技法がありますが、粗目(あらめ)と中目などの画用紙が使用されています。画用紙によって、水洗いが適するものとそうでないものがあるのでしょうか?   

(大阪府・堺市・古川)
 

一度塗った絵具を水で洗い流す技法はウォッシングと呼ばれています。洗い流すとわずかに、色が紙の目に残り、描いたものでは出せない味が生まれてきます。ウォッシングに向く絵具は水彩絵具で、アクリル系のものは本来耐水性なので、ウォッシングにあまり向いていません。ここで用いられる基底材は水彩紙が中心ですが、時にはケント紙や厚紙なども使用されます。画用紙は主に植物の繊維によって作られています。水を含むとふやけてしまうのが元々の性質です。高級紙(アルシュとかファブリアーノなど)はそれに糊を混ぜ強い圧力でプレスしてあり、目が詰まっています。こうした紙は、多少水を付けてこすっても、毛羽立ったりすることはありません。向いているかどうかは、ウォッシングのやり方にもよります。ただ水で流すのであれば、普通の安価な画用紙でかまいません。

<絵具の硬化について>
 

皆さん、こんにちは!!今年の夏は暑いらしいです。どうぞお体を大切に。質問なのですが、久しぶりにアクリルガッシュを使おうと思って、出してきたのですが、固くなっている色がかなりありました。3〜4年使っていないだけなのですが、チューブに入っているのになぜ固まるのですか? また、それを防ぐことができないのでしょうか?   

(東京都・渋谷区・内藤)
 

暑いです。今年の夏は特に暑いみたいです。質問のお答えですが、絵具の硬化の原因は、水分などの消失か化学変化にあります。ただ、色によって異なるため、全部の色が一斉に硬化するわけではありません。それは顔料となっている原料がそれぞれの色で異なるからです。黄や青は硬化しやすいです。化学反応もあります。キャップがしてあるのにどうして水分が抜けるのか、ですが、フタがしっかり閉められていない、チューブから微量に水分が抜け出ている、固まりやすい顔料である、などが原因です。この防止がなかなか難しいのですが、タッパーのような密閉できる容器に収納すると5〜6年は持ちます。ただ、早めに使うことをおすすめします。

<再利用について>
 

一度聞いてみたいと思っていることがあります。私は高校時代から水彩で風景を描いたりしているのですが、時々自分でも分かっているのですが描きすぎ(塗りすぎ)になることがあり、絵の止めどころというのが難しいと思っています。そこでなのですが、失敗した水彩画は捨てる以外にないのでしょうか。私はいつも愛着を感じつつも、捨てています。   

(愛媛県・東予市・ヤマシタ)
 

一度描いた絵はなかなか捨てられないものですね。水彩画は油絵などと違って気軽に感じられ、処分する人が多いようです。しかし、ヤマシタさんのように失敗作をどうにかしたいと思う気持ちもよく分かります。
どうせ捨てるなら、今号で扱っているウォッシングをしてみたらどうでしょうか。どうかだまされたと思って、水道で洗ってみてください。色が淡くなり、全く未知の色合いが得られます。そこに加筆することで、色の深みも出すことができます。

<スケッチブックについて>
 

今年のサクラはどうでしょうか。皆さん、お花見行きますか? 私の住んでいるところは川べりにサクラが並んでいます。毎年沢山の人でにぎわいます。今年はスケッチしたいと思います。そこで、質問なのですが、スケッチブックにもいろいろあるみたいなのですが、どんなものがいいのでしょうか?
ちなみにクレヨンかクレパスで描くつもりです。   

(栃木県・黒磯市・伊那)
 

この時期サクラが満開になっています。伊那さんはスケッチへ行かれたのでしょうか?スケッチブックは、主に水彩用のものが店先に出ています。安価なものと高価なものの差は、紙質にあります。水彩絵具に合っているのは水彩紙ですが、良質のものは厚さもあります。水を使うため、紙がしっかりしていた方が、もちろんいいのです。これは、クレヨンとかクレパスで描く場合も同様です。水彩紙の他に、色付きコットン紙のものなどがありますが、クレパスにも使えます。

<アクリルガッシュについて>
 

TCの皆さん、明けましておめでとうございます。今年もまた、絵を描き続けていきたいと思います。ハガキも投稿したいです。このところ油絵にハマッています。もともと水彩絵具を使っていて、油絵用の豚毛の筆も水彩に使ってみたいのです。油の付いた筆はそのままで使えないと思うのですが、油の取り方があったら教えてください。よろしくお願いいたします。   

(広島県・呉市・三沢)
 

おめでとうございます。今後ともTCをよろしくお願い申し上げます。編集部一同さらに頑張ります。さて、油の付いた筆から、油を除去する方法ですが、いくつかあります。家庭でやる場合は、油絵具用のクリーナー(石油系のものが多い)で、絵具を落としてから、台所にある中性洗剤で洗って下さい。根元あたりに油が残ることがありますので、よくほぐしながら洗って下さい。もう一つは洗浄の専門溶剤スーパークリーナー(ターレンス製)を使うことです。このクリーナーは、アクリルと油の両方に使えます。油性分の除去にはかなり大きな威力を発揮します。服に付いたものも取り除きます。スーパークリーナーは便利です。画材店にあります。

<ソフトパステルについて>
 

こんにちは。今年も後わずかになりました。TCの皆さんはお元気ですか? よくパステルカラーというのをファッション雑誌などで見かけますが、本物のパステルを見てもよく分からないのですが、そもそもパステルカラーってなんですか? 変な質問してしまってすみません。   

(岐阜県・高山市・野田)
 

パステルカラーと特に言った場合は、絵画で言うパステルの色というよりは、ファッションで勝手に中間色(白の入った明るい色)をパステルカラーと言っているところから来ています。純色などは、含まれません。もちろん、パステルには純色や暗い色もあります。パステル画にも淡い色調のものとリアルな色調のものがあります。ですから、パステルカラーというのは、間違った表現ということができます。少なくとも絵画とは関係ありません。淡い色調のものだけしか指していないからです。ちなみにナチュラルカラーは、明るいグレイッシュな色のことですが、これもパステルカラーと言っていることがあります。パステルカラーもナチュラルカラーも目になじみやすい色調です。そうしたところから、人に好かれる色調と言うことができます。

<オブジェについて>
 

私は平面も好きなのですが、立体にも興味があり、特にオブジェを作って見たいと思っています。私がよく作るオブジェは、棒に紙粘土を使ったものなのですが、着彩とつや出しにこまっています。真っ白な紙粘土に、水彩で着彩してからニスを塗っていますが、いかにもニスという感じなのです。色が自身が光っているようにしたいのですが、どうしたらよいでしょうか?   

(新潟県・新潟市・植村)
 

オブジェをやりたいという人が増えているみたいですね。自分の目の前に確かに存在し、手応えがあるオブジェ制作。作っている最中は夢中になれます。さて、オブジェの光沢なのですが、植村さんのご希望は、テカテカした上辺だけのものでなく、色が輝いていると解釈してよろしいでしょうか。それなら、アクリル絵具が最適だと思います。グロスメディウムを適量混ぜながら、着彩をすれば、それに近い効果が得られます。ただし紙粘土は吸収性がよいので、絵具が吸収され光沢も鈍くなることがあります。もし、しっかりとした光沢を出したいなら、まず下地材のジェッソを塗ってから、着彩すれば発色が良く、光沢のある仕上げが得られます。

<クレパスについて>
 

TCの皆さんお元気ですか?絵を描いていますか?私は最近クレパスにはまっています。友達に勧められたのですが、こんなにすごいとは思ってもいませんでした。描いていて楽しいのです。パステルとの併用で描いていますが、ある人から違う画材同士を混ぜるのはタブーだ、と言われました。本当にタブーでしょうか?   

(千葉県・柏市・葛飾)
 

元気そうな情報ありがとうございます。クレパスの併用にタブーはあるかという質問ですね。クレパスの熱加工の特集(今号)を組みますので、そちらも参考にしてください。さて、クレパスの併用ですが、全く問題ありません。海外でも、パステルと併用している画家がかなりいます。あの、保守的なカナダでさえ、併用が盛んです。基本的にどんな使い方をしてもかまいません。クレパスは可能性の広い画材ですので、スクラッチ(引っかき)、フロッタージュ(凹凸のあるものの上に紙を乗せゴシゴシ塗る)、空押し(鉛筆で筆圧を強めて線を引きそこにクレパスを塗ると鉛筆の線が白く浮き出る)などの技法ができます。葛飾さんのように楽しく描くことが、なにより基本なのです。

<油絵について>
 

一度描いたキャンバスをもう一度使いたいので、ジェッソかホワイトの絵具で塗りつぶしているのですが、他にきれいに塗れる素材はあるのでしょうか。それと、油絵で下地塗りをして、その上に細い線を描きたいのですが、なかなか思うように引けません。何か特殊な画材があるのでしょうか。お聞かせください。   

(大阪府・東大阪市・宇賀)
 

この質問は2つをまとめさせていただきました。まずキャンバスのリサイクルですが、いくつかの方法があります。これは「ふるキャン」と呼んでいますが、そのまま塗り重ねる、地塗り(色付き)をする、ホワイトを塗る、下地剤(マチエラー)を塗るなどがあります。もう一つは、ストリッパー(剥離剤)を塗りナイフではがすやり方もあります。
油絵での細い線の引き方は、かなり熟練を必要とします。画家はそれに工夫を繰り返してきました。これにもいろいろなやり方があります。柔らかい毛の細筆(0号)を使って描く。あるいは細い豚毛の筆の先を、ナイフでさらに細くして描く。しっかりしたピアノ線を棒に1本縛って使っている人もいます。絵具の濃度が問題ですので試してみてください。

<アクリル絵具について>
 

TCの皆さん初めまして。暖冬の毎日ですが、今日は久しぶりにアクリルで絵を描きました。TCグランプリに出品を狙ってます。描いているうちに疑問が出てきたのですが、なぜアクリルは、すぐ乾燥してしまうのですか?固まってしまった絵具は使えないのですか?もったいない気がして、聞いてみたくなりました。   

(大阪府・大阪市・竹綱)
 

TCグランプリにぜひ出品してください。他のコンクールよりもメッセージ性を重視していますので、入賞する作品傾向の幅が広いと言われています。
アクリル絵具は速乾性です。乾燥が早いので、時間がない人には最適と言われています。もともと、油絵をしていた日曜画家が、短時間で仕上がるアクリル絵具を使うようになったといわれています。じっくり描きたい人は油絵具を使っています。一度固まってしまったアクリル絵具は使えません。それはあきらめてください。しかし、乾燥を遅らせることはできます。リターダー(50ml315 円)を絵具に混ぜると、3倍ほど乾燥を遅らせることができます。リターダーを使うことによって、画面上での混色とか、グラデーション技法を行うことができます。

<ボールペンについて>
 

皆さん明けましておめでとうございます。今年もTCと共に歩みたいと思います。よろしくお願いいたします。質問は、ボールペンと使い捨てペンと、どう違うのですか?少し、アホっぽい質問ですみません。これでも画材もらえますか?   

(奈良県・奈良市・池本)
 

おめでとうございます。今年もTCが充実したものであるよう頑張りたいと思います。皆さまのご協力をお願いいたします。お便り、作品、質問どしどし送って下さいね。どんな質問でもOKですよ。このように採用されれば画材を送ります。
さて、ボールペンは本号で特集しましたので、どんなものか構造もお分かりになると思います。問題は池本さんがご指摘の「使い捨てペン」が、どのペンを指しているかということです。ボールペンに似たものと言えば、製図ペン(線の幅が表示されているペン)ではないかと思われます。もしそれだとすれば、ペン先の違いと言えます。製図ペンは金属製の針か化学繊維がペン先になっています。製図ペンは滑らかな線が一定の線幅で引けますが、ボールペンは線幅は不安定ですが、筆圧による変化が楽しめます。

<水彩絵具について>
 

『画材料理ブック』を買って、絵の勉強をしようかと思って、いよいよ始めました。水彩絵具に興味を持っているのですが、その上達法を教えてください。まず、どんな絵を描けば、うまくなりますか? 鉛筆で下描きをしない方がいいのでしょうか?お願いします。   

(山梨県・大月市・吉田)
 

『画材料理ブック』は、広く画材と技法を紹介している辞書のような本です。どうぞ、活用してください。水彩画の上達法ということですが、基本的には3つのポイントがあります。1つは、形のとらえ方です。これはデッサンとかスケッチをすることで実力を身に付けます。このとき、鉛筆でするとよいでしょう。2つ目は、色の塗り方です。水彩には水彩独自の塗り方があります。これは、お手本を真似るのが一番だと思います。最後の3つ目は構図と配色です。どこにモチーフを置いたらいいかとういうことと、色の扱い方です。これらは、自分の気に入っているものを描く、あるいは、量をこなすことです。描き重ねていくうちに、きっと技術的な向上が見られます。鉛筆の下描きは最初はした方がよいでしょう。

<塗り絵について>
 

秋になりました。TCのリニューアル第1号を手にしました。これまでのものと違い情報量が多い気がします。これからが楽しみです。ただ、少なくなったものもあるような気がします。質問です。今、流行りの塗り絵は、絵の描き方を上達させてくれるでしょうか?塗り絵は良くない、という人がいたので気になります。      

(新潟県・柏崎市・植木)
 

TCを楽しみにしていただけることが何よりうれしいです。ページの都合で、掲載していないものもあります。それは、申し訳ありませんが、ホームページの方でお楽しみください。
植木さんがご指摘のように今塗り絵が異常な人気を見せています。塗り絵ばかりでなく、鉛筆による俳句や文学をなぞる本が、ベストセラーになっています。このような傾向は、アナログの良さを再確認することで文化的に意義のあることです。かつては、塗り絵は創造性をそこなうといって忌避されたこともあります。しかし、色を使うことが、なぜ創造性をそこなうのか根拠があいまいでした。
塗り絵は描きたい気持ちを育てます。大いにやりましょう。

<立体イラストとオブジェについて>
 

TCの皆さんお元気ですか?最近はTCがWebになってしまったせいか、いつでも見られるという気持ちからか、新鮮な気持ちで見れなくなっている気がします。でも、記事には興味がひかれてますよ。
いま、立体に興味を持っています。そこで質問です。立体イラストとオブジェとは同じものですか?それとも別物でしょうか?          

(富山県・高岡市・金子)
 

いつもTCを応援していただきありがとうございます。ホームページは毎月更新しています。雑誌の方も発行(9月)が近づいています。こうして質問を送っていただけるだけですごく幸せです。本当に、これからも気軽に投稿してください。
立体イラストとオブジェの違いについてですが、用途が全く違うものです。まず立体イラストは、あくまでもイラストとして制作します。イラストということは、印刷物のための作品を意味します。そのため、立体イラストは、写真撮影が条件になります。その写真が印刷に使用されることになります。その後は壊されることが多いです。オブジェは飾ることが目的となっていますので、耐久性も要求されます。したがって作り方も違うと言えます。

<鉛筆画について>
 

鉛筆画を独学で始めているのですが、上手い人の作品を見ていると、本当に息の詰まるような作業をされており、私はいつまでたってもあそこまでは行けそうにありません。しかし、楽しくて、これからもずっとやりたいと思っています。ところで、プロの方はやはり高価な鉛筆を使っておられると思うのですが、どこのメーカーのものを使っているのでしょうか。          

(茨城県・古河市・吉川)
 

最近脚光を浴びている鉛筆画ですが、色味がないだけに表現には工夫が必要です。特にハッチの入れ方と陰影の入れ方は最も重要なポイントになっています。滑らかに塗れる鉛筆であることが条件です。滑らかに塗れるということは、芯の組成物がよく練れているということです。悪い鉛筆は、線を引いていて、「プチッ」という引っ掛かりがあります。この引っ掛かりは極めて微妙なのですが、滑らかさを求める鉛筆画では支障となります。滑らかさがある鉛筆が理想です。別にメーカーは問いません。かなりのプロの方で、国産を絶賛している人もおります。ヴァン・ゴッホの鉛筆は滑らかさにおいては最高級です。ドイツ製のものは伝統的に品質に優れています。

<ワニスについて>
 

完成してから、約10ヶ月経つ油絵があります。ワニスを塗って額に保存しようと思いますが、絵にワニスを塗ってから、どのくらいの時間が経った時、額に入れれば良いでしょうか?ご返答をよろしくお願いします。          

(滋賀県・滋賀郡・高寺)
 

ワニス(タブロー)には、加筆用と保護用があります。ご質問の内容から、保護用ワニスについて回答します。保護用ワニスは、完成した絵を大気中のガスやチリなどから保護し、作品にある程度の艶を与え、発色にも貢献します。テレピンなどを混ぜ、濃度を調整します。塗布する時期は、絵の完成後、半年から1年をみます。完全に乾燥した状態ということですが、絵具の厚さによって乾燥時期は異なりますので、注意してください。ワニスを塗るときは、寒くない部屋で行います。ワニスの伸びと透明度が暖かい方が良好だからです。太陽光で画面を温めてから塗布すると良いとも言われています。ワニスは時間が経つと変色したり、汚れが付いたりします。いずれ塗り直しをするため、再溶解性のあるものにしておいた方がいいです。額に入れる時期は、ワニスは2週間ほどで乾燥しますので、それからにして下さい。

<マーカーについて>
 

最近、気になっていることがあります。コミックなどをやっている人が、筆のようなサインペンのようなものを使ってるのを見たことがあります。あれはなんでしょうか?とても滑らかな着彩なのでびっくりしました。          

(滋賀県・近江八幡市・芝山)

TCが新年と共に新しい装いでスタートするのに相応しい質問です。質問に応えるのは、それだけ興味が絵に向いている人に出会えるということですから、本当にうれしいことです。コミック系の方が使っているのはマーカーです。特にブラッシ型の筆先を持つものに人気が集まっています。マーカーの先はフェルト、特殊繊維、スポンジなどでできています。色数が揃っており、微妙な色出しもできます。油性(アルコール)と水性の2種があります。2色をうまく伸ばし、滑らかなグラデーションにしたり、ボカシを行なったりしています。フェルト芯のものも人気があります。気軽に持ち歩けるのが、喜ばれているようです。カートリッジが用意されていたり、薄め液が別売りされていたり、意外に奥が深いのが特徴です。マーカーはメーカーの数だけ種類があり、色数も豊富です。

<水彩について>
 

TCが無くなるのかと思っていたら、なんだか強力なメディアに発展するらしいと分かって、ホッとしています。ところで、水彩絵具は透明水彩とどう違うのでしょうか?小学校の頃に使っていたものは透明水彩ですか?そんなことも知らないのか、と言われそうで恥ずかしいのですが。          

(愛知県・名古屋市・久保平)

TCは進化します。どうぞこれからも、これまで以上にご支援ください。編集部一同張り切っています。水彩絵具に関するご質問ですが、透明水彩という言葉を聞いてない方には、その区別が分からないかもしれません。いわゆる水彩絵具には、不透明水彩と透明水彩の2種類があります。もともとは、水で溶ける絵具は皆、水彩絵具と言ってよいのですが、それでは油絵具以外はほとんど水彩絵具ということになってしまいます。それで、その性格をより明快に分かるように、材質や特徴で呼ぶようになっています。小学校の頃使っていたのは、不透明水彩だと思います。ガッシュも同類です。アクリルガッシュは縁戚に当たります。不透明水彩は厚く重ね塗りすると、下の色が隠されてしまうのが特徴です。(TC 2005年12月号掲載)

<ペン画について>

質問に答えてくれる。TCは本当に便利です。ペン画特集ということですが、ペン画で使用しているペンのことでお聞きしたいのですが。一体どんなペンなのでしょうか?また、どんなインクを使っているのでしょうか?
(東京都・八王子市・山口)

 

この夏、沢山の質問をいただきました。その中からペン画に関するものを取り上げます。ペン画は文字通りペンを使って描く技法。表現方法には幅がありそれぞれの技法で使用されるペンの種類も多く存在しています。大別するとインク内蔵式と付けペン式 の2種があります。インク内蔵式のものには、製図ペン、マーカー、万年筆、ボールペンなどがあります。製図ペンはニードルペン(ロットリングやステッドラー)とフェルトペン(ピグマペンなど)があり、前者はインク補充型、後者は使い捨て型が一般 的です。マーカーも後者に属します。金属ボールを用いているのがボールぺンです。線の幅が一定なのが特徴です。付けペンはかつてものすごく多くの類がありました。Gペンや丸ペンがあります。イン クには油性と水性があります。製図用インクとカラーインクが代表的です。(TC 2005年10月号掲載)

<スティック画材について>
 

クレヨンとパステルとクレパスとオイルパステルの違いを教えてください。    

(北海道・札幌市・藤井)
 

クレヨンは顔料(色材)と固形ワックスを練り混ぜて作ります。固差があるのが特徴です。色を指で伸ばすのには向いていません。パステルは顔料とそれを固める結合材で固めてあります。これは、水で溶けるのが特徴です。糊材が含まれないため、圧力で基底材に付着させます。ほとんど粉末のために、指で伸ばすのが容易です。しかし、定着させるのが難点です。クレパスとオイルパステルは同種のものです。サクラクレパス社が生み出したオイルパステルがクレパスで、これは商標です。しかし、クレパスは広まり世界的に定着している名前になっています。これには顔料に色の伸びをよくする体質顔料が加えられ、固形ワックスと液体油が混ぜられています。色の伸びが良く、定着しやすいのはそのためです。(TC 2005年8月号掲載)

<コンクール出品について>
 

TCの皆さんこんにちは。私は高校に通うふつうの子です。別に部活に入るでもなく、毎日を何となく過ごしています。こんなのでちゃんと将来仕事に就けるのかも不安です。何かしなければとあせるのですが。で、今度地区の絵の会があって作品を出品してみようと思うのですが、出品してみようと思っています。どうしたら入選できますか。こんなこと聞いてもと思いつつ、どうしても入選したいので、よろしくお願いいたします。

(静岡県・掛川市・真名)
 

真名さん、作品を出品されるということは、どこかに絵が好きという気持ちがあるのですね。コンクールでも何でも作品を出品するということはいいことです。そして、入選を目指すということもいいことです。目標があれば人間頑張りますから。入選したいということですが、これは非常に難しい質問です。特に審査員が何を基準に選ぶかの問題なので、こう描けば絶対ということがありません。ただ、入選しやすい絵というのがあります。主題(最も優先するモチーフ)は大きめに。背景もしっかり描き込む(色をきっちり塗る)。色の冴えを大切に。そして何よりも気持ちよく描くということです。(TC 2005年6月号掲載)