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1948年京都府生まれ。68年東京芸術大学油絵科入学。73年より、書籍の装丁や雑誌の挿絵などで鉛筆やペン画による作品を発表。95年より版画作品の創作開始。
これまで取材したプロ

机上は精神の磁場。

細い線が描き出す世界は、独特の雰囲気があります。繊細で美しく共鳴し合い光を感じます。そこに気の遠くなるような情熱が注がれています。ペン画の細密画家は、ほとんど姿を消しました。その中で、さん然と光を放っているのが門坂流さんです。アトリエでペン画の世界の奥深さと、円熟した技に触れさせていただきました。話しが尽きず、後ろ髪が引かれる思いで帰路に着きました。

・小学校の頃は?
門坂「6歳まで京都で育ち、母の故郷の滋賀県に移住しました。自然の中で川の水の流れやかまどで炊く炎のダンス、稲穂が風になびく様子などを見る事だけが楽しみな日々でした。壁のシミや障子のシミ等に想像したイメージをなぞったりして遊んでいたのですが、日光写真や写し絵に始まり漫画やスターのプロマイドを描き写す事や写生等にとても惹かれました」
・絵への道は?
門坂「高校の頃にフェルメールの『刺繍をする女』の絵を見て心が震えました。子供の頃に節穴から障子に投影された美しい青いシミが、ピンホール写真のように外の雪景色を映していた事に感動した事を思い出したのが原点です」
・卒業されてからは?
門坂「美術界よりサブカルチャーの方に興味が移り、雑誌『宝島』で片岡義男さんの『ロンサムカウボーイ』でデビューしました」
・ペン画には?
門坂「その『宝島』では鉛筆で始めたのですが、途中でオフセット印刷から活版に替わる事になり、急きょペン画に変えた事で線の表現に目覚めました。イラストの仕事だけでは締切もあり満足な表現が出来ないので、少しずつ自分にリアリティのあるテーマで描き始めました。学生時代に好きだったマックス・エルンストのコラージュ集『百頭女』を思い出し、百枚で一つの作品になるようなイメージで描きためた作品群が形になったのが『風力の学派』(1988年ぎょうせい刊)です。4月17日からペン画の個展をしますが、それはこの画集からセレクトしました」
・どのように描いている?
門坂「紙はケント紙でペンは丸ペン、使い始めは細い線が出るので明るい所の表現に使い、だんだんと暗い所の表現に移行します。基本的に線を重ねない方法で描いていますが、それは失敗できない事による緊張感が好きな事と流動感の表現に適しているからです」
・これからの夢を。
門坂「死ぬまでライブ感覚で描き続ける事で、『継続は力なり』『量が質に変わる』という事が信念です」
・ありがとうございました。

 

*編集部より*
「門坂 流 ペン画展」 
2010年4月17日(土)−27日(火)

会場:青木画廊(銀座)


門坂 流さんのHPがあります。ご覧ください。
http://www.kadosaka.com/

 

「線を生かすため詳細な下描きはしないです。最初のイメージを発展させていくだけです」

 
「湖畔」
 
「岸壁」