スーパーリアルと言われる表現スタイルがあります。写真のようにリアルですが、実物以上に実物を感じさせる表現です。人間技とは思えない圧倒的な表現で、文句なしに感動してしまいます。その第一人者斎藤雅緒さんは、自然を愛する大巨匠。ものがただ描かれているのではなく、描かれているものから、優しい声が聞こえます。人が感じられるリアルです。
・子供の頃は?
斎藤「父が警察官だったために、よく転勤があり、3回も小学校を転校しました。絵だけは一貫して好きで描いていましたね。ある時、担任の先生が審査委員をしているコンクールに、どんどん絵を描かせ出品してくれました。そこで特選をとり、絵に対する気持ちが固まった気がします。その影響で中学生のときは、マンガや図案を好んで描きました。特に、植物をよく描きましたね。今でも植物は私の重要なモチーフです」
・基礎はどこで?
斎藤「高校の図案科に入学し、最初は着物の図案師を夢見ていました。図案の基礎はそこで学びました。着物の図案では、京都は最先端でしたから、京都の図案師に弟子入りする人が多かったです。しかし、修学旅行で現場を見て、自分には無理だと思いましたね」
・就職は?
斎藤「図案師をあきらめて、東京に出てグラフィックデザイナーとして、働くことにしました。当時まだ田舎だった表参道のセントラルアパートの中のデザイン会社に勤めました。そこでは工業製品の断面のイラストを発注したりする仕事をしていました。そのうち自分でも描いてみたくなり、会社を2年弱で辞め、テクニカルイラストレーションの草分けの師のアシスタントになりました」
・フリーになったのは?
斎藤「その先生は教えてくれないのですね。仕事を見て盗み取る毎日でした。それを2年。そこを辞め21歳でフリーになりました。直後はいくら描いても、なかなか収入にはなりませんでしたね。1日15時間は描いたでしょうか。そうしているうちに、CMの仕事やパッケージの仕事を手掛けるようになりました」
・なぜスーパーリアルに?
斎藤「なぜ、写真ではいけないのかです。現実には汚い部分や形がいびつなものもあります。絵なら、理想を描くことができます。オーロラは見たことがありません。しかし、私は現実よりもオーロラらしく描きます。野菜などは、取材して写真に撮り、カラーチャートで色味を確認してきます。家に戻りそれらを元に制作します。制作にはアクリル絵具と水彩絵具を使い、エアブラシで描きます」
・今後の予定を。
斎藤「読売新聞の回収袋のイラストを担当します。楽しみにしていてください」
・ありがとうございました。
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